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2ちゃんねる
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女勇者「先輩は史上最低の勇者です」
1 :
◆CUe8gHwvDY
:2011/10/31(月) 22:52:30.35 ID:656BzcKWo
王「やあ久しぶりだ、よく来たな女勇者よ」
大臣「……」
女勇者「い、いえ! 王様直々にお呼びいただき光栄です!」
王「ははっそうかたくなるな、楽にしていい。どうだね? 最近の調子は」
女勇者「おかげさまで、問題はありません」
王「うむ、よろしい。聞くところによると、この前の試験も優秀な成績を収めたそうだな」
女勇者「いえ、そんな大そうなことでは」
王「謙遜するな。君は間違いなくすばらしい、十年に一人の逸材と言ってもいい」
女勇者「そ、そうでしょうか」
王「私が言うのだから間違いはない。君は優しくて強い、もっと自信を持て」
女勇者「ありがとうございます、王様」
王「そんな君も、もう17になるのか…」
女勇者「五年前…王様に拾っていただけなければ、私は今でも普通の村に住む普通の少女のままでした」
女勇者「今の私がいるのは王様のおかげです、本当にありがとうございます」
王「私も嬉しいよ、こんなに立派に成長してくれて」
2 :
◆CUe8gHwvDY
[sage saga]:2011/10/31(月) 23:09:34.60 ID:656BzcKWo
女勇者「それで…今日はどういった用件で?」
王「うむ…君はもう立派な勇者だと言ってもいい。年齢的にも能力的にも」
王「そこでだ、ここは一つ旅に出てみたりはしないか?」
女勇者「旅…ですか?」
王「君も知ってのとおり、十年前に乱世は去った。世界は以前に比べて平和だ」
王「だが最近妙な報告を聞いてな」
女勇者「……」
王「各地で魔物の動きが活発になってきたらしい」
王「まだ大きな変化はないが…何かの兆候かもしれん」
王「だから君にはその調査をしてほしい」
女勇者「調査?」
王「うむ。世界を周り魔物たちがなぜ再び動き出したのか原因を調べるのだ」
王「はっきりとした情報がない以上、こちらとしても大きく動けんのでな」
王「こんなことを頼めるのは君しかいない、やってくれるかね?」
3 :
◆CUe8gHwvDY
[sage saga]:2011/10/31(月) 23:18:50.32 ID:656BzcKWo
女勇者「もちろんです、王様のご命令とあればお断りする理由はありません」
王「うむ、よく言ってくれた」
女勇者「必ず原因を突き止め、世界を平和へと導きます」
王「なに、そんなに肩に力を入れるな。魔王を退治しに行くわけでもなかろう」
女勇者「ですが…」
王「君は以前、世界を見て周りたいと言ってただろう」
王「この旅は君の成長にもつながる。魔物と戦うだけでなく、色々なものを見て、体験するといい」
王「存分に旅を楽しみたまえ」
女勇者「は、はぁ…」
王「そこでだ、今回の旅には君に付き添いをつけよう」
女勇者「付き添いの方……どなたですか?」
王「十年前、魔王を退治し世界を平和に導いた伝説の勇者だ」
4 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/10/31(月) 23:31:51.66 ID:656BzcKWo
女勇者「で、伝説の勇者って、まさかあの……!?」
王「ちょうどこの城に住んでいてな。事情を話したら快く引き受けてくれたよ」
女勇者「知らなかった…勇者様がここに住んでいたなんて」
王「彼は天才だが変わり者でね……あまり世間には出たがらないのだよ」
王「まぁ、優秀なことには間違いない。なにせ魔王を倒したのだからね」
王「彼といれば君にとっても色々と勉強になるだろう」
女勇者「はい! まさかあの伝説の勇者様に会えるなんて…とても嬉しいです」
王「では早速だが出発してもらおう。装備品はそこの袋に入ってある、持っていきなさい」
王「それと勇者の部屋は十三号室だ、彼はそこで待っている」
王勇者「はい、それでは行ってきます王様!」
王「うむ、気をつけるのだぞ」
ガチャッ バタン
大臣「……本当によかったのですか? 彼を付き添いになんて」
王「やつもどうせ暇だろう。それに、この城から追い出す良い口実にもなるしな」
大臣「ははっ、この城もしばらくは平和になりますね」
5 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/10/31(月) 23:37:45.98 ID:656BzcKWo
―― 十三号室 ――
女勇者「ここね……」
女勇者(この部屋に魔王を倒した伝説の勇者様が…!)
女勇者「……コホン」
コンコンッ
女勇者「し、失礼します、女勇者です!」
シーン・・・
女勇者「……?」
コンコンッ
女勇者「あのっ、女勇者です! 王様の命を受けてやってきました! 勇者様!」
シーン・・・
女勇者(……いないのかな? でも王様はここで待ってるって言ってたし)
女勇者「……」
ガチャッ
女勇者「失礼しまーす……」
6 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/10/31(月) 23:49:03.90 ID:656BzcKWo
女勇者「……」キョロキョロ
女勇者(部屋の鍵は開いてる……中は薄暗い……)
女勇者(寝室で寝てるのかな?)
女勇者「勇者様ー、どこですかー?」
女勇者(やっぱり寝室かな。たぶん日ごろの訓練の疲れが残ってるのかも)
女勇者(無理に起こすのは悪いかもしれないけど…王様の命令だししょうがない)
女勇者「勇者様、寝ているのですか? 起きてくださ…」
ガチャッ
娼婦「きゃあっ!?」
女勇者「……へ?」
7 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/10/31(月) 23:57:10.91 ID:656BzcKWo
娼婦「ちょ、ちょっと! いきない開けないでよ!!」
女勇者「え、ええっ!? あの、あなたは……?」
女勇者(なんで…裸の女の人が……!?)
「ぅ…うぅ〜ん……おい、なんだ?」
娼婦「お、お城の人が来ました。もう朝ですし私は帰ります」バタバタ
娼婦「失礼しました」タタタッ
女勇者「あ、あのっ!!」
女勇者(行っちゃった……)
「……おい、なんなんだお前」
女勇者「…ひぃっ!?」
「誰だ…見ない顔だな」
女勇者「ふ、ふふふ服!!」
「は?」
女勇者「服着てください服!! 裸じゃないですか!!!」
8 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 00:08:04.60 ID:g9+Z4d4co
「……裸だが股間はシーツで隠れてる。気にするほどじゃないだろ」
女勇者「いいから着てくださぃ〜!!」
「朝からうるさい……着替えてやるからここから出ろ」
女勇者「あ、あなたいったい誰なんですか!!」
女勇者「勇者様の部屋に勝手に入って女の人と裸で、そ、その……あのっ……」
「セックスしてたんだ」
女勇者「〜〜〜っ!!?」
「いいからさっさと出ろ。それとも俺の裸がまだ見足りないのか?」
女勇者「こっ…こんなこと許されませんよ!?」
「なんでだ」
女勇者「だって、勇者様の部屋でこんな汚らわしいこと……!!」
「俺の部屋で何しようが俺の自由だろ」
女勇者「ここは勇者様の部屋であってあなたの部屋じゃ……え?」
勇者「だから、ここは俺の部屋だ。なぜなら俺が勇者だからな」
女勇者「……うそ」
9 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 00:20:55.92 ID:g9+Z4d4co
数分後
勇者「ふぁ〜…」
女勇者「……」
女勇者(この人が……勇者様?)
女勇者(魔王を倒し世界を悪から救った伝説の勇者様…?)
女勇者(……ありえない)
女勇者(そんなすごいお方があんな…女の人を買ったりなんて……)
勇者「おい」
女勇者「は、はいっ!!」
勇者「お前は誰だ」
女勇者「わ、私は女勇者です! 王様の命令を受けて、勇者様をお迎えに来ました」
勇者「俺を迎えに? どうしてだ」
女勇者「それは…一緒に旅に出るから……王様から聞いてないのですか?」
勇者「……あぁ、思い出したぞ。確か見習いの勇者の面倒みろって言われたな」
10 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 01:41:17.50 ID:g9+Z4d4co
女勇者「見習い…」
勇者「なるほどな、それでわざわざ迎えに来る振りをして人のプレイを覗こうとしたのか」
女勇者「!?」
女勇者「ち、違います!! あれはたまたまで…」
勇者「人の性癖には口出ししないがな、少しはマナーぐらいわきまえたらどうだ?」
勇者「見習いの勇者様にはお分かり?」
女勇者「…ッ!!」
女勇者「お言葉ですが、私はもう見習いでありません。王様の命を受け、正式に勇者の称号を得たんです!!」
女勇者「それと私に覗き趣味なんてありません!!」
勇者「そうか、誤解してたようだ。すまなかった」
女勇者「わ、分かってくれましたか?」
勇者「本当は仲間に入りたかったのか」
女勇者「なっ……!?」
勇者「とりあえず飯を食いに行く、腹が減った。城下町に行くぞ」
11 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 10:51:52.35 ID:g9+Z4d4co
―― 飯屋 ――
勇者「ここで食べる飯もこれで最後になるかもしれないな。悲しいもんだ」モグモグ
女勇者「……」
勇者「おい、さっきからなんだそのしかめっ面は。飯が不味くなるからやめろ」
女勇者「あの……本当に魔王を倒した伝説の勇者なんですか?」
勇者「様をつけろ様を。もう十年前の話だ」
女勇者「本当に本当なんですか?」
勇者「嘘だ」
女勇者「!?」
勇者「こう言えば満足か?」
女勇者「ふ、ふざけないでください!!」
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12 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 11:05:41.22 ID:g9+Z4d4co
勇者「どうしてそんなに怒る。勇者が女と寝ちゃいけないのか?」
女勇者「そうじゃないです! ただ……勇者らしくないっていうか」
勇者「勇者らしいってなんだ? 勝手にお前が妄想した勇者像を俺に当てはめるな」
女勇者「っ……」
勇者「俺が魔王を倒したのも事実、世界を救ったのも事実」
勇者「女を買ったのも事実。全部本当のことだ」
女勇者「……」
勇者「お前が毎日寝て食べて生きてる幸せを感じることができるのも俺のおかげだぞ? 感謝するんだな」
女勇者(こんな傲慢な人が伝説の勇者だっただなんて……)
女勇者(はぁぁ〜……最低)
勇者「よし、腹はいっぱいになった。もう行くぞ」
女勇者「え? もう旅に出るんですか?」
勇者「いいや、学校にだ」
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13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 11:14:36.12 ID:7u7P4W3DO
嫌いじゃない雰囲気
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14 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 11:18:37.53 ID:g9+Z4d4co
女勇者「学校って…なんで」
勇者「親友がそこで教授をやってる。使えるやつでな、旅の道具を少しわけてもらいに行くんだ」
女勇者「旅の道具ならありますよ。ほら、王様にもらったやつが」
勇者「そんなものは使えん。どうせあの馬鹿が予算ケチったからろくな物入ってないだろうしな」
女勇者「ば、馬鹿って…王様のことを言ってるんですか!?」
勇者「他に誰がいるんだ? ああ、そういえばあの大臣も馬鹿だったな。馬鹿一号と二号だ」
女勇者「撤回してください!! いくらなんでも失礼すぎます!!」
勇者「そうか、そうだな。撤回しよう。これからは大馬鹿糞野郎って呼ぶことにするよ」
女勇者「はあ!?」
勇者「褒めてやってるんだぞ。 馬鹿でも国を治められるなんてすごいことじゃないか」
女勇者「……それ以上言ったら本気で怒りますよ」
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15 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 11:29:14.22 ID:g9+Z4d4co
勇者「いいか、あいつはお前が思っている以上にずる賢くて卑怯なやつだ。お前のことだって利用してるだけにすぎない」
女勇者「そんなことないです。王様は優しいお方です」
勇者「上っ面はな。そういうやつほど腹の中はドス黒いんだよ」
女「どうしてそんなこと言うんですか!?」
勇者「あいつのことが嫌いだからだ。あいつは俺の名前を借りて国を守り、俺はずっとこの城で飼い殺し状態だった」
女勇者「……」
勇者「まぁ…ちょうどいい。そろそろここから離れたいと思っていたしな。良いタイミングだ」
勇者「さっさと出るぞ」
女勇者「……本当にあなたと旅に出なきゃいけないんですか」
勇者「お前の尊敬してる王様の命令だろ? 喜んで従えよ」
女勇者「……」
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16 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 11:38:03.06 ID:g9+Z4d4co
―― 城下町 ――
女勇者「あの、一ついいですか?」
勇者「なんだ?」
女勇者「仲間は集めないんですか?」
勇者「俺一人じゃ不満か」
女勇者「そう……ではないですけど。旅には人数は多いほうがいいじゃないですか」
女勇者「戦士系とかどうです? 力や体力もあって頼りになりますよ」
勇者「戦士は真面目なやつしかいない。融通もきかないし話しててつまらん、却下だ」
女勇者「じゃあ格闘家とかは……」
勇者「あいつらは脳みそまで筋肉でできている。まともな話が通じない」
勇者「旅の最中にずっと筋トレにつき合わされるだろうしな。却下」
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17 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 11:50:22.46 ID:g9+Z4d4co
女勇者「仲間は連れて行かないつもりですか?」
勇者「仲間にするなら遊び人がいい。毎日ポーカーができて楽しいぞ」
女勇者「私たちはこれから旅に出るんですよ!?」
勇者「ただでさえ見習いの面倒を見るのは大変だっていうのにこれ以上足手まといを増やしてどうする」
女勇者「私は見習いじゃないって何度言えば分かるんですか!!」
勇者「俺から見れば、十分見習いだ」
女勇者「……ですが、十年前だって仲間を連れて旅に出たんですよね?」
勇者「あの時は俺を含めてプロが集まってたからな。それに比べて今の若いやつらは出来損ないが多い」
勇者「とてもじゃないが、そんなやつらを引き連れて旅するなんて俺には無理だ」
勇者「どうしても仲間がほしいならお前個人で旅に出ろ、王の命令に背いてな。俺は行かないぞ」
女勇者「……なんでそんな言い方ばっかり」
勇者「趣味だ」
女勇者「……」
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18 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:00:16.47 ID:g9+Z4d4co
―― 魔法学校 ――
生徒「……」
賢者「補助魔法で重要なのはその場の流れを掴むことだ」
賢者「戦闘中、周りの状況をきちんと把握し、適切な魔法を適切なタイミングで使う。基本中の基本だな」
賢者「黒板にいくつか戦闘パターンを書いておいた。メモを取りながら……」
ガチャッ
勇者「おい、ちょっといいか。話がある」
賢者「!?」
ガヤガヤ ガヤガヤ
勇者「生徒のみんなは気にしないでくれ。それより黒板をノートに写したほうがいいぞ。来月のテストに出るかもしれないからな」
賢者「勇者、なにやってるんだ。授業中だぞ!?」
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19 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:03:22.28 ID:g9+Z4d4co
―― 魔法学校 ――
生徒「……」
僧侶「補助魔法で重要なのはその場の流れを掴むことだ」
僧侶「戦闘中、周りの状況をきちんと把握し、適切な魔法を適切なタイミングで使う。基本中の基本だな」
僧侶「黒板にいくつか戦闘パターンを書いておいた。メモを取りながら……」
ガチャッ
勇者「おい、ちょっといいか。話がある」
僧侶「!?」
ガヤガヤ ガヤガヤ
勇者「生徒のみんなは気にしないでくれ。それより黒板をノートに写したほうがいいぞ。来月のテストに出るかもしれないからな」
僧侶「勇者、なにやってるんだ。授業中だぞ!?」
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20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(中部地方)
[sage]:2011/11/01(火) 12:04:48.46 ID:DuIldxQU0
なかなか面白い趣向
続きが楽しみです
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21 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:16:28.97 ID:g9+Z4d4co
勇者「お前に用があるから来たんだ」
勇者「みんなー、ちょっと先生を借りてもいいかな? 僕と先生は大親友でこれから大事な話をしなきゃいけないんだ」
僧侶「おい、後にしてくれ。授業を抜け出すわけにはいかない」
勇者「うむ…最近夫婦仲はどうだ? 仲良くやってるか?」
僧侶「そんな話を話をしに来たのか? もちろん仲良くやってるよ。分かったら帰ってくれ」
勇者「そうか。じゃあ西の都にいるシスターとはどうだ? 彼女との仲は?」
僧侶「……おい、やめろ。彼女とはそういう関係じゃないし今はそんな話をする必要もない」
僧侶「生徒たちに誤解されるだろ」
勇者「俺は信じてるさ。そんなことが起きるわけないって」
勇者「みんなー、俺はみんなの先生のこと信じてるからなー!」
生徒「……」ポカーン
勇者「みんなも信じてるそうだ」
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22 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:24:42.70 ID:g9+Z4d4co
僧侶「……彼女とは。仕事上の付き合いだけだ」
勇者「ここでそんなことペラペラ喋っていいのか? 生徒たちに勘違いされるぞ」
僧侶「……みんな、ちょっと聞いてくれ。実は彼は変な薬をやりすぎて脳に障害が残ってしまったんだ」
僧侶「だからありもしない妄想話や非常識な行動に走ってしまう。かわいそうに」
僧侶「だが、神に仕える者としては僕は彼を放っておくわけにはいかない」
僧侶「みんなには悪いが少しこの場から離れさせてもらうよ。彼を病院に帰さないと」
生徒「は、はぁ…」
僧侶「よーし、じゃあ行くぞ勇者くん。病院に戻って点滴を打たないとな」
勇者「点滴はいやだ。アイスが食べたい」
僧侶「アイスは点滴の後に買ってあげるさ」
僧侶「みんなも薬物の取り扱いには気をつけるんだぞ? こうなりたくなかったらな」
生徒「……」
勇者「おい、あまり差別的な目でこっちを見るな。傷つくだろ」
生徒「す、すいません……」
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23 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:35:24.55 ID:g9+Z4d4co
・・・・・
僧侶「一体どういうつもりなんだ勇者!!」
勇者「お前に紹介したいやつがいる」
女勇者「ど、どうも…」
僧侶「……彼女は?」
勇者「女勇者だ」
僧侶「女勇者……聞いたことがあるな。確か若くて優秀な勇者が最近現れたというが、君のことか」
女勇者「お、おそれいります」
僧侶「で、こんな若くて可愛い子を連れてきて自慢したかったのかな? 君は」
勇者「今からこいつと旅に出るところだ。あの馬鹿の…おっと、大馬鹿糞野郎の命令でな」
女勇者「……」
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24 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:41:40.61 ID:g9+Z4d4co
僧侶「旅?」
勇者「その旅に道具が必要だ。高級な回復薬とか持ってるだろ? どうせお前は使わないんだ、分けてくれ」
僧侶「そのために…授業中に僕を呼んだのか!?」
勇者「ああ、そうだ」
僧侶「だったらそう言えばいいだろう!! なんでわざわざ騒動を起こすようなことをした!?」
勇者「そっちの方がおもしろいからだ」
僧侶「……ああ、そうだな。君は昔からそういう奴だ」
勇者「お前も来るか? 一緒に…十年前みたいに」
僧侶「仕事がある。妻もいる。旅には出れないよ」
勇者「すっかり所帯じみたな。僧侶のくせに結婚しやがって」
僧侶「君も結婚して家庭を持ったらどうだ? そうしたらその人格も変わるだろうな」
勇者「お断りだ。浮気がばれたら大変そうだしな」
僧侶「……僕はやってないからな」
勇者「ああ、信じてるさ」
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25 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:47:44.47 ID:g9+Z4d4co
女勇者「お世話になります、僧侶様!」
僧侶「気にしないでくれ。がんばるんだぞ」
勇者「もらう物もらったらさっさと出て行く。そうしたら授業に戻ってもいいぞ」
僧侶「今生の別れにならないよう神に祈っておくよ」
勇者「それはありがたいな」
女勇者「……あの」
僧侶「どうしたんだい?」
女勇者「僧侶様は十年前あの人と一緒に旅に出られたんですよね?」
僧侶「ああ、そうだが?」
女勇者「……本当に彼が魔王を倒したんですか?」
僧侶「残念ながらね」
女勇者「……」
僧侶「胃薬を持っていくといい。これから毎日悪態をつかれるだろうしね」
女勇者「救いは?」
僧侶「期待しないほうがいい」
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26 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:51:24.81 ID:g9+Z4d4co
・・・・・
勇者「よし、装備も整った。行くぞ、出発だ」
女勇者「……」
勇者「なにをぐすぐすしてるんだ。お菓子でも買い忘れたか?」
女勇者「……今行きますよ、先輩」
勇者「さっきまで“勇者様”って呼んでたくせに急にどうした」
女勇者「こっちの方が適切な呼び方だと思ったんで。いけませんか?」
勇者「好きにしろ、見習い」
女勇者「っ……」
勇者「いくらぐずってもお菓子は買ってやらないぞ。さっさと歩け」
女勇者(こんな人が世界を救った勇者だなんて……私は絶対に信じないんだから)
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27 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/01(火) 12:53:57.23 ID:g9+Z4d4co
とりあえずここまで
勇者ものは初めてなのでどうなるか分かりませんが読んでもらえるとありがたいです。
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28 :
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[sage]:2011/11/01(火) 13:56:25.22 ID:zTFP1EwSO
期待
でもエロとか恋愛要素はあんまふえないほうがいいな
この先どうなるかだが
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29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 14:01:36.97 ID:7u7P4W3DO
エロはいらないけど恋愛要素ならあってもいいかな
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30 :
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[sage]:2011/11/01(火) 14:07:43.51 ID:Y50vZM3Xo
乙。オモロイからアンタの好きなように書いてくんなよ
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31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 14:30:32.77 ID:W8wN8HUj0
やべぇこの勇者超好きな性格だわwktk
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32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 14:36:04.24 ID:SI1WHNKOo
NTRとかサブカプはいらないからな
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33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 14:47:39.00 ID:A+LQPiPIO
乙
期待してます
賢者はなんだったのだろう
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34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(神奈川県)
[sage]:2011/11/01(火) 17:06:32.66 ID:JeNQgBno0
乙
ripとかNTRとかは無い方がいいっす
期待して次の投下舞ってます
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http://vs302.vip2ch.com/
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/01(火) 17:35:29.70 ID:mGwd1gxAO
がんばれ
サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:
http://vs302.vip2ch.com/
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 19:20:12.77 ID:XKD2tLNl0
面白い
ブクマした
サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:
http://vs302.vip2ch.com/
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/01(火) 19:27:14.46 ID:/XwHDQHqo
ワッフルワッフル
サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:
http://vs302.vip2ch.com/
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 19:33:30.26 ID:KQu3VkzIO
エロはいらんが期待
サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:
http://vs302.vip2ch.com/
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 20:32:49.98 ID:wRgHxi9bo
待っときます
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40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/11/01(火) 21:51:29.30 ID:qY6iM1Feo
これは面白そうだ。頑張れ!
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41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西・北陸)
[sage]:2011/11/01(火) 23:20:52.36 ID:dMg00l2AO
賢者とは何だったのか
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42 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/02(水) 17:35:15.73 ID:C9xQ87h4o
―― 草原 ――
勇者「……」
女勇者「先輩、この先に村があります。小さな村ですが王都からは一番近い村です」
勇者「ああ、地図を見ればわかる」
女勇者「一日歩けば着く距離なんですが…その前に少し寄っておきたい場所があるんですけどいいですか?」
勇者「どこだ」
女勇者「東の洞窟です」
勇者「洞窟はじめじめして暗いし宝があるわけでもないならわざわざ行く必要がない」
女勇者「そこで魔物の群れを目撃したという情報があるんです」
勇者「魔物なんて昔と比べて活動は少なくなったものの絶滅はしてない。洞窟に群れがいたっておかしくはないはずだ」
43 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/02(水) 17:37:48.00 ID:C9xQ87h4o
女勇者「ですが、放っておくわけにはいきません。村人がそこで襲われて何人か死んでいるんですよ?」
勇者「……村人が襲われた?」
女勇者「さっき宝がないなら行く必要はないと言いましたよね?」
女勇者「実はあるんです、その洞窟に宝が。村人たちはそれを取りに行こうとして襲われたんです」
勇者「…確かか?」
女勇者「……宝はあくまで噂ですけど」
勇者「そんな不確かな情報を信じたのか。お前ゴシップ記事とか平気で信じるタイプだな?」
女勇者「ですが…」
勇者「勇者なら行くべきだと言いたいのか?」
女勇者「そ、そうです! 洞窟に行きましょう先輩!!」
勇者「…分かった、いいだろう。ちなみに聞くがお前はどっちが目当てだ?」
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(空)
[sage]:2011/11/02(水) 17:38:01.79 ID:YaL3aONV0
きてる
45 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/02(水) 17:40:05.94 ID:C9xQ87h4o
女勇者「え……? 目当てって」
勇者「魔物の方か? それとも洞窟の宝が目当てか?」
女勇者「当然魔物です。宝はあったとしても興味ありません、魔物退治が先決ですから」
勇者「嘘だな。どうせ宝があったらそのままかっぱらうだろ」
女勇者「…先輩は宝物が欲しいんですか? ですが魔物がいたら、そっちの方を先に倒さないと宝は手に入りませんよ?」
勇者「そんなことは知ってる。もし本当に魔物がいて本当に宝物があればの話だがな」
女勇者「そもそも勇者が宝物目的で旅をするなんておかしいと思います」
女勇者「私たちは魔物退治を専門としているんです。まず優先すべきことは魔物を倒して人々を恐怖から解放する」
女勇者「間違ってますか?」
勇者「…いいや、そのとおりだ。素晴らしい、百点」
勇者「そのテーマで論文でも書いたらきっとお前は高得点をもらえるだろうな。どうせそうやって優等生ぶって今の地位まで上り詰めたんだろ?」
46 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/02(水) 17:40:44.94 ID:C9xQ87h4o
女勇者「……なにが言いたいんです?」
勇者「どこかの本に書いてあることをそっくりそのまま口にするだけの人間に価値はない。大事なのは、その先をイメージすることだ」
勇者「仮説を立てるぞ、意見を言え。洞窟にはどんな宝があると思う?」
女勇者「それは……財宝とか?」
勇者「なんでわざわざ好き好んで田舎の洞窟に財宝なんて置くんだ。そんな貴重なものはもっと別のところに保管するだろ」
女勇者「じゃあ、剣とか…武器?」
勇者「武器屋が夜中にこっそり忍び込んで置いたのか? なんのために?」
女勇者「えっと……」
勇者「おいがっかりだな、もっとまともな回答を期待してたんだが」
女勇者「……」
勇者「洞窟には、宝がありさらにそこには魔物の群れがいる」
勇者「魔物はなんのためにいるんだ?」
47 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/02(水) 17:41:46.35 ID:C9xQ87h4o
女勇者「洞窟を…住処にしている?」
勇者「もっと他の考え方はないのか。洞窟には宝があるんだぞ!」
女勇者「……宝を、守っている?」
女勇者「つまり先輩は、洞窟にある宝は魔物に関わる何かだと言いたいんですか?」
勇者「その可能性があると言いたいんだ。ちなみに宝なんて価値のあるものの存在は疑ってる」
勇者「誰も見たこともない宝の有無なんて本当かどうかも分からんからな」
女勇者「ですが村人は宝物を求めて…」
勇者「死んだ。だが宝の噂を広めたのは誰だ? 誰も宝があるかどうかなんて確認して帰ってきてないだろ?」
勇者「おそらく危険な場所だったいう話が伝言ゲームのように伝わって宝があるなんて話に広がったんだ」
勇者「噂なんていうのは、そんなもんだ」
48 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/02(水) 17:42:58.82 ID:C9xQ87h4o
女勇者「けど魔物は…そのせいで人が死んでるんですよ?」
勇者「ああそうだ、そこがひっかかる」
女勇者「え?」
勇者「さっきも言ったとおり宝の存在は疑わしい。だが別の何かがあるはずだ」
勇者「魔物はそれを守るために人を殺す」
女勇者「もう少し単純に考えませんか? やっぱり洞窟はただの住処なんですよ」
勇者「ああ、十年前も魔物は住み着いていたよ。だが人を殺すほど危険な魔物はいなかった」
勇者「臆病で、人前に出ることなんてほとんどない弱い魔物しか住んでいない」
女勇者「…生態系が変わったとかは?」
勇者「魔王が倒れてただでさえ魔物の勢力が弱くなったんだ。強い魔物なんてほとんどいないはずだ」
女勇者「強くなくても人を殺す魔物はいます」
勇者「……ならなぜそんな魔物が住み着いたか調べる必要もあるな。原因が分かったら環境調査団から謝礼金がもらえるかもしれん」
49 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/02(水) 17:48:22.74 ID:C9xQ87h4o
少ないですが今日はここまで。
ちなみに勇者物ですが世界観はドラクエというよりFF12っぽい世界を意識して書いてます。
ドラクエは4と8しかやったことがないので…
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/02(水) 18:12:10.27 ID:TBfJgNTDO
おぉ、久々にいい感じのSSを見つけた
ぜひ頑張って完結までこぎつけてほしい
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/02(水) 18:25:27.41 ID:TYpRrwsio
乙〜
終始ワッフルして待ってる
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(中部地方)
[sage]:2011/11/02(水) 20:38:45.57 ID:b52b1efM0
正論対正論な感じ
すげぇ面白い
続きを期待しています
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/02(水) 20:45:25.04 ID:aSogGAop0
この勇者は勇者より探偵を志すべき
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/11/02(水) 20:46:03.97 ID:Cup+oWaro
これはなかなか面白い
勇者が水谷豊とかガリレオの福山雅治系だな
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(九州)
[sage]:2011/11/02(水) 23:24:03.08 ID:hQdM89uAO
勇者の態度からして10年前に何かを悟ったんだろうな
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西・北陸)
[sage]:2011/11/02(水) 23:54:44.09 ID:/Oc6coyAO
僧侶の態度みた感じ昔からこんな奴だったぽいけど
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/03(木) 02:34:44.11 ID:MIxhyCY8o
乙です
まあRPGでダンジョンの宝箱に武器とか回復薬が入ってるのは色々とおかしいですよね
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西・北陸)
[sage]:2011/11/03(木) 10:01:12.43 ID:glDL0MqAO
乙です。
まあダンジョンの宝箱の中身がなぜあるかなんて、そこにあるからあるとしか言えないからね。理屈じゃどうにもならないよ。
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(九州)
[sage]:2011/11/03(木) 12:46:40.93 ID:n4fSby4AO
本来は普通に落ちてるけどプレイヤーにわかりやすいように宝箱表記にしてんだろ
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/03(木) 13:14:43.13 ID:cmuG2GHAO
エクスデスもエクスカリパーをバッツたちに拾ってもらえるよう宝箱に入れてたしな
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(埼玉県)
[sage]:2011/11/03(木) 17:15:25.94 ID:7bTbCKZIo
おつ!
これはおもしろい
62 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:53:22.42 ID:S4qDaof0o
・・・・・
ザッ ザッ
女勇者「……」
勇者「……」
女勇者「魔物の気配は…まだありませんね」
勇者「今はこんなだだっ広いに草原に魔物なんて滅多に出やしない。いい時代に生まれてラッキーだな」
女勇者「ですが王様は、魔物の活動が活発になっていると言ってました。何かの兆候かもしれないって」
勇者「あの馬鹿が直接確かめたことか?」
女勇者「国の情報です。信憑性はあります」
勇者「はっ、お国のためによく働くな」
女勇者「……」
勇者「俺たちのこの旅は…掃除した床にワックスをかけているようなものだ」
勇者「魔物という汚れがなくなって綺麗になった床を維持するために、俺たちはこうやって途方もなく歩いてる」
勇者「ただの使いっぱしりにしかすぎない」
63 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:53:55.01 ID:S4qDaof0o
女勇者「…ひねくれてますね」
勇者「勇者が人格者である必要があるのか?」
女勇者「人々に希望を与える存在なんですから当然です」
女勇者「世界に再び危機が訪れないよう、私たち勇者が世界を直接見て調査することは重要なんです」
女勇者「平和を維持するために……何かが起きてからじゃ遅いんですよ?」
勇者「俺がさっき言ったことを言い換えただけだろ」
女勇者「志が違います。床掃除と一緒にしないでください」
勇者「本当に危機を感じているのなら、世界中の兵士が俺たちと同じようなことをしてるはずだ」
女勇者「私たちは選ばれた者なんです。一般兵は自国を守るので手一杯ですが、私たちは世界そのものを守らなければならない」
勇者「自分は特別な存在だってか? 見習いのくせに一般市民を見下すとは生意気だな」
女勇者「ち、違います! そういう意味で言ってわけではありません!」
64 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:54:31.63 ID:S4qDaof0o
勇者「世界を守るだなんて仰仰しいこと言ってるがな、俺たちが今やってることはなんだ? 草道を歩いてるだけだぞ?」
勇者「草道歩けば世界を守れるのか? だったら子供にだってできる」
勇者「そうだ、さっそく子供にやらせよう。王都に足の速い子がいる、彼なら世界を半日で周れるかもしれないな」
女勇者「……屁理屈と皮肉は得意みたいですね」
勇者「小さいころからの特技だ。先生にも褒められてたよ」
勇者「それに平和を維持するなんて言うが、それは無理だ。綻びは必ず生じる」
女勇者「無理ではありません! どうしてあなたがそんなことを言うんですか!?」
女勇者「魔王の支配が終わった今、人々が助け合い困難を乗り越えれば平和な未来を築けるはずです!!」
女勇者「そのために魔物という害悪を私たちが排除する必要があるんです!!」
勇者「剣は錆びる、人間も同じだ」
女勇者「仰ってる意味がわかりません!」
勇者「お前はなぜそんなに使命に燃えてるんだ。昔のような時勢ならともかく、今はある程度平和だろ?」
女勇者「私が勇者だからです!! 使命を果たすことはそんなに悪いことですか!?」
65 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:55:01.53 ID:S4qDaof0o
勇者「……」
女勇者「…お言葉ですが、今の先輩は勇者にふさわしいとは思えません」
女勇者「十年の間になにがあったか知りませんが……がっかりです」
勇者「ああ……失望させてしまったところ悪いがお客さんが来たぞ」
女勇者「え?」
――――ザッ
ウェアウルフ「グルル……」
女勇者「魔物――!?」
勇者「よかったな、運よく現れてくれたみたいだ。お前の大好きな魔物だぞ」
ウェアウルフ「グルルッ……!!」
女勇者「くっ…!!」チャキィンッ
66 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:56:05.35 ID:S4qDaof0o
女勇者(相手は下級モンスター…大したことはないはず)
女勇者(訓練どおりにやれば倒せる…!!)
勇者「おい、なんで剣なんて抜いてるんだ。女の子がそんな風に刃物を取り扱っちゃ危ないだろ」
女勇者「馬鹿にしないでください!!」
勇者「剣は使うな。魔法で倒せ」
女勇者「なっ…何でですか」
勇者「お前の大したことない剣術なんて見たくない。今は魔法で倒せ」
女勇者「私の剣を見たこともないくせにどうしてそんなことが分かるんですか!?」
勇者「いいから魔法を使えと言ってるんだ!! それともお前は魔法も使えないようなバカな勇者なのか!?」
女勇者「ッ……!」
ウェアウルフ「グルルッ……!!」
勇者「さっさとやれ。向こうはもう待ってくれないぞ」
67 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:57:20.57 ID:S4qDaof0o
女勇者「……いいですよ、分かりました。魔法で倒せば先輩は満足するんですね?」
勇者「ああそうだ。ちゃんと魔法を唱えられるといいな、見習い」
女勇者(馬鹿にして……自分が世界を救ったからって)
ウェアウルフ「ガルルゥ!!」ガバッ
女勇者「きゃっ!?」バッ
女勇者(速い――!? …もう少し反応が遅かったら避けきれなかった)
勇者「おいなんだ今の声は。遊んでるのか?」
女勇者「少し黙っててください!!」
勇者「おい、敵意を向ける相手を間違えてるぞ」
女勇者(実戦は初めてだけど…緊張してるわけじゃない)
女勇者(ただこの人の前ではへまなことはできない。悪態をつけないぐらい、完璧に戦わないと……)
女勇者(一撃でしとめる……!!)
ウェアウルフ「ガアアァァ!!」バッ
68 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:58:48.13 ID:S4qDaof0o
女勇者(いまだ…!!)
女勇者「雷鳴よ!!」
ズババアーーーッ!!
ウェアウルフ「!!」シュンッ
女勇者「!!?」
女勇者(よ…避けられた!?)
ウェアウルフ「ガアアッー!!」ガバッ
女勇者「あっ…」
女勇者(避けられな――…)
勇者「焼き尽くせ!!」
ズガアアアアアアアアーーーーーンッ!!!!
69 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 19:59:47.28 ID:S4qDaof0o
女勇者「………………え?」
女勇者(な、なに今の爆発……辺りが焼け野原に)
勇者「情けないな、尻餅ついて。お前それでも本当に勇者?」
女勇者「い、今のは先輩が…? 魔物は!?」
勇者「もう灰になった」
女勇者「……」
女勇者「今のは……まさか、ファイガ? 炎属性最強魔法の!?」
勇者「いいや、今のはファイガじゃない。ファイアだ」
女勇者「!?」
女勇者「そ、そんな…あんな高火力なファイアがあるんて……」
勇者「……」
女勇者(ファイアでこんな魔力を出せるなんて……この人の実力は、本物――?)
勇者「嘘だ。今放ったのは本当はファイガだ」
女勇者「……は?」
70 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 20:00:31.99 ID:S4qDaof0o
勇者「おいお前の目はちゃんとついてるのか? 普通はファイアとファイガの違いぐらい分かるだろ」
女勇者「だ、だって先輩がファイアって……」
勇者「他人の言葉に惑わされず自分で判断できるようにしろ」
女勇者「なんで…そんな嘘……」
勇者「お前の反応が楽しいからだ」
女勇者「……っ!?」
女勇者「……」
女勇者「…まさかとは思いますが、今みたいに自分の力を誇示するために私に魔法で戦わせたんですか?」
勇者「ああ、その通りだ」
勇者「これで分かったろ? 基本魔法しか使えないお前と、上級魔法を使える俺とじゃ力の差が歴然としてる」
勇者「使命だなんだと言っても結局ザコモンスター相手に尻餅ついてビビるしかできないようなやつなんだよ、お前は」
女勇者「…………最低」
71 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 20:01:17.66 ID:S4qDaof0o
勇者「……」
女勇者「そんなに私のことが嫌いですか…?」
勇者「いいや、愛してるさ。サンドイッチの次くらいにな」
女勇者「……世界を救った勇者様は、高貴で強い正義感を持ち、人々を希望の光へと導く偉大な方だと思っていました」
勇者「…それはお前の妄想だ。そんなものは捨てて現実を生きろ」
女勇者「っ……」
女勇者「もういいです…あなたには完全に失望しました」
勇者「……」
女勇者「これからは一人で旅をします。あなたと一緒になんかいられない」
72 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 20:02:17.41 ID:S4qDaof0o
勇者「おい、一日も経ってないのにもうギブアップか? 根性ないな」
女勇者「私はあなたみたいな最低な人間を勇者だなんて絶対に認めません!!」
勇者「あの馬鹿の命令に背くことになるぞ?」
女勇者「構いません。事情は説明しますから」
勇者「そうかい、じゃあ好きにしろ。俺も重荷がなくなって気が楽だ」
勇者「さっきみたいに魔物相手に尻餅ついてびびってればいい」
女勇者「普段の実力ならあんな魔物倒せてました。あなたなんかがいなければ…」
勇者「おい、自分の実力不足を人のせいにするな。最低なやつがすることだぞ」
女勇者「もういいです!! あなたとは、今後顔を合わせたとしても二度と口をききません!!」
女勇者「さようなら」ザッ
勇者「…そうか、それじゃあ達者でな。長い間楽しかったよ」
女勇者「……」
女勇者(なんで…なんでこんな人が……)グズッ
73 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/03(木) 20:03:54.52 ID:S4qDaof0o
ここまで
戦闘描写は効果音と地文どっちがいいでしょうか?
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/03(木) 20:05:37.24 ID:tXxXsfgHo
乙〜
地の文が良いけど、無理しない方で
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[]:2011/11/03(木) 20:06:27.88 ID:H1vFEskSO
>>74に同意
作者の好きなほうで
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/03(木) 20:11:56.60 ID:cmuG2GHAO
勇者リアルに最低だなwwwwww
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(福岡県)
[sage]:2011/11/03(木) 20:13:33.59 ID:hYTxVMQ8o
乙
こういう女勇者みたいな勘違い身の程知らず見てるとイライラするなwwwwwwww
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(神奈川県)
[sage]:2011/11/03(木) 20:16:01.80 ID:awDKcm9s0
やりやすい方がいいと思います先生
無理して変な文になるかもだし
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/11/03(木) 20:51:11.50 ID:jQkcUElHo
乙です。これは面白い。勇者が女勇者に魔法を使わせたのには、もっと他に理由が
ありそうですね。
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(中部地方)
[sage]:2011/11/03(木) 21:02:18.51 ID:dT1WdaaT0
ドラクエなイメージの人物がFFの魔法使うのって
予想以上に面白いなwwwwww
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/11/03(木) 21:12:11.69 ID:8TDBiBoxo
>>77
一応勇者に選ばれたんだから
勘違い身の程知らずと言うよりは
使命感に燃えるルーキーって感じじゃね?
FF10のジェクトの時のアーロンさんみたいな
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/03(木) 21:26:42.69 ID:kaNKtuRG0
ディシディアやってたから
>>68の「焼き尽くせ!!」
がクラウドみたいなイメージになっちまった
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/03(木) 21:44:27.42 ID:cmuG2GHAO
>>81
勇者はティーダを相手にするジェクトみたいな感じだな
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(空)
[sage]:2011/11/03(木) 21:54:58.25 ID:mNIdQE9P0
いいぞ、このまま見捨ててしまえ
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/03(木) 22:06:08.26 ID:OSpuRDOIO
実戦で魔法を使うのは訓練とは違うのを教えるためだったんだよ!きっと、多分
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/03(木) 22:20:23.41 ID:ccX0JCIIO
乙。サンドイッチの次くらいに乙。
やべえ、勇者がシニカルすぎてかっけぇ。大好物だ。
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/03(木) 22:25:56.90 ID:kaNKtuRG0
勇者の言ってる事全部正論だwwwwww
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西・北陸)
[sage]:2011/11/03(木) 23:33:47.10 ID:F92SIZXAO
中学生多くね?
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/04(金) 01:06:18.89 ID:nV1KG6nmo
どこぞの大魔王様かと思ったら勇者だった
何を言っているか分からないと思うがry
そして乙です
女勇者はサンダー唱えようとしてたのかな
地の文はあったほうが戦闘は分かりやすいですが、無くても楽しめる派です
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/04(金) 02:52:58.53 ID:D8D6848yo
前に見た鬱物の勇者ばりに現実的な勇者で面白いね。
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/04(金) 04:48:29.98 ID:V+1ZnB++0
勇者が魔法を唱えるように言ったのは、ウェアウルフが俊敏かつ豪腕だからじゃないのか
だから、いくら勇者といっても女が接近戦で相手をするには分が悪すぎた
FFに出てくるウェアウルフがどんなもんか知らないけどさ
本当に女勇者は真面目一辺倒かつ実戦を知らなさすぎるな
これからどうなるかが楽しみだ
92 :
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[sage]:2011/11/04(金) 17:24:40.63 ID:qjNJ8HES0
>>88
なぜわかった
93 :
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(山陽)
[sage]:2011/11/04(金) 20:32:00.70 ID:MQQIjYeAO
>>92
くせぇから黙っとけ
94 :
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[sage]:2011/11/04(金) 20:54:32.57 ID:qjNJ8HES0
>>93
スンマセン....
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
[]:2011/11/04(金) 22:23:25.66 ID:pgfl3umLo
>>93
うぜえ、失せろ
96 :
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(空)
[sage]:2011/11/04(金) 22:28:59.97 ID:eX0jZVnV0
>>95
おまえもさげろ
97 :
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[sage]:2011/11/04(金) 22:37:57.52 ID:klB+t23SO
作者はダンテとかアーロンとか好きそうだな
ちょっとひねたおっさんっていいよね
掘られたい
98 :
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[sage]:2011/11/04(金) 22:38:58.00 ID:klB+t23SO
作者はダンテとかアーロンとか好きそうだな
ちょっとひねたおっさんっていいよね
掘られたい
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(北海道)
[sage]:2011/11/04(金) 23:06:59.56 ID:fDSQnN1AO
>>77
ギアスのスザク見てぇだwwwwww
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)
[sage saga]:2011/11/04(金) 23:32:26.28 ID:c0BvyGcDo
>>92
死ねよクズ
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/05(土) 00:07:26.43 ID:VTxTsqqIO
>>92
糞して寝てろ
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(大阪府)
[sage]:2011/11/05(土) 01:20:48.13 ID:rYDBJ4Bzo
相変わらず良ssにはアレな読者が湧いてくるな
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(神奈川県)
[sage]:2011/11/05(土) 04:24:31.37 ID:2rmCnl3Y0
伸びてると思ったらまたお前らかよ・・・・
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/05(土) 05:23:22.01 ID:Poav6Fd/o
毎度毎度煽り合いご苦労様なこってwwwwwwwwwwwwww飯がうめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(九州)
[sage]:2011/11/05(土) 13:13:57.07 ID:XFm9t+zAO
いちいち草生やすなよ
2chを知ったばかりの中学生みたいだな
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/05(土) 13:17:52.96 ID:Mf4UZe+0o
なんで飯がうまいの?使い方わからないの?
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/05(土) 15:58:09.38 ID:Poav6Fd/o
クズの無為な煽り合いが起きればそれを見た第三者は7割型不快になるので
そいつらの心境を妄想して白米と日本酒をかっこむのがマイブーム
あと草は単純にそれ見て誰かが不愉快に思ってくれれば幸いかなって
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(福岡県)
[sage]:2011/11/05(土) 16:01:23.80 ID:mYOECdjZo
米と日本酒とかアフォかこいつ
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/05(土) 16:05:30.62 ID:Poav6Fd/o
ん?白米には何かけても合うだろ
実際問題結構うまいぞ
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(福岡県)
[sage]:2011/11/05(土) 16:09:23.06 ID:mYOECdjZo
米にかけんのかよwwwwwwww無いわwwwwwwww
酒で米の味が消されると思うんだがな
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[]:2011/11/05(土) 16:12:58.97 ID:Poav6Fd/o
米って飲料物を固形物として楽しむためのスパイスみたいなもんだと思ってたわ
味あったのかアレ
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/05(土) 16:20:00.83 ID:8dY3w4UVo
ID:Poav6Fd/oは重度の味覚障害と知的障害
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/05(土) 16:21:25.76 ID:p/rFaN4Uo
米の味がわからないなんて不憫な子…
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/05(土) 16:21:50.06 ID:p/rFaN4Uo
米の味がわからないなんて不憫な子…
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/05(土) 16:22:18.48 ID:p/rFaN4Uo
米の味がわからないなんて不憫な子…
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛媛県)
[sage]:2011/11/05(土) 16:30:04.81 ID:af5fyQWPo
米の味がわからないなんて不憫な子…
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/05(土) 17:21:41.37 ID:/v1ueScU0
>>107
マイブームって…
自分語りならよそでやってくれないか
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/05(土) 17:29:39.99 ID:cISKUhfAO
>>1のモチベーションにも関わるから関係ない雑談は控えた方がいい
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(岐阜県)
[sage]:2011/11/05(土) 18:08:47.31 ID:ZjC6FfMOo
伸びてるから1がきたかと思ったら雑談かよ
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/11/05(土) 21:48:06.76 ID:nypbNPd4o
伸びてると思ったら……残念
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/06(日) 00:58:34.71 ID:jpabCvS+o
上がってるかと思ったら……
大人しく>>1待っとけ
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 11:00:56.01 ID:9vCD3mXDO
自分達のレスは無駄な雑談じゃないんですねwwwwwwwwwwwwww
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西・北陸)
[sage]:2011/11/06(日) 19:44:32.50 ID:Swxn15mAO
おんなゆうしゃのこうげき
「やめてください!」
くさをはやしあおるバカのせいしんに150ダメージをあたえた!!
124 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:52:57.24 ID:WtoVOH9do
・・・・・
ザッ ザッ
女勇者「……」
女勇者「……はぁ」
女勇者(洞窟は…もうそろそろかな)
女勇者「……」
女勇者(もうあの人の姿は見えない……)
女勇者(確かに実力はあるけど…人間性はとてもじゃないけど尊敬できるものじゃなかった)
女勇者(どうしてあんな人が勇者に……)
女勇者「……」
女勇者「少し…休憩しよう」
125 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:53:44.50 ID:WtoVOH9do
女勇者「……」
女勇者(静か……昔は草原でも魔物があふれてたって聞いてたけど、今はほとんどそんな気配はない)
女勇者「……」
女勇者(とりあえず洞窟の魔物を退治して村の人たちを安心させないと)
女勇者(その後はラバナスタで仲間を見つけて……)
女勇者「……」
女勇者(ついて来てくれるかな…こんな旅に)
女勇者(魔王を倒しに行くわけでもない、平和を取り戻すわけでもない…)
女勇者(ただ世界を見て周って……それだけ)
女勇者(だったら私一人だけでも使命を……)
勇者『使命だなんだと言っても結局ザコモンスター相手に尻餅ついてビビるしかできないようなやつなんだよ、お前は』
女勇者「っ……」
女勇者(私だって……!!)
女勇者「雷鳴よ!!」
126 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:54:43.31 ID:WtoVOH9do
ズバアアーーッ!!
女勇者「氷塊よ!!」
ガァン!!
女勇者「火球よ!!」
ゴウッ!!
女勇者「……」
女勇者「…確かに今は基本魔法しか使えないけど、戦えないわけじゃない」
女勇者「あの時本当は剣だって使えたのに……」チャキィン
女勇者「……私のバスターソード」
女勇者「大きくて、力強い……私の大切なお守り」
女勇者「大丈夫、次は絶対に負けたりしない……!」
127 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:55:13.61 ID:WtoVOH9do
女勇者「……そろそろ行かなきゃ」
女勇者(……本当にあの人はいないんだ)
女勇者(色々と教えてもらいたかったことはあったけど……もう……)
女勇者「……」
女勇者「…行こう」
女勇者(私は私が目指す勇者になる……きっと)
ザッ ザッ
勇者「……」
128 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:56:19.67 ID:WtoVOH9do
―― 東の洞窟 ――
女勇者「ここね……」
女勇者(もう日が暮れてる…早いうちに片をつけないと)
女勇者「……」ゴクッ
女勇者「よし…覚悟してなさい魔物ども」
ピチャッ
女勇者「!!」
女勇者(す、水滴……はぁ)
129 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:57:31.32 ID:WtoVOH9do
・・・・・
女勇者「……」
女勇者(暗い…それに道幅も狭い)
女勇者(もし挟み撃ちにでもなったら危険ね…十分警戒しないと)
女勇者「……」
パキッ
女勇者「……?」
女勇者(今なにか踏んだような……)
女勇者「!?」
女勇者(ほ、骨…!? まさか村人の…!!)
130 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:58:29.19 ID:WtoVOH9do
女勇者「……」
女勇者(人の骨なんて初めて見た…)
女勇者(私も死んだら…こんな風に……)
女勇者「……はっ…はぁっ……」
女勇者「今さらなによ…怖くなんかないんだから……!」
ピチャッ
女勇者「っ!!」ピクッ
女勇者「……」
女勇者(剣を構えて進んだほうがいいかも……)
131 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 21:59:50.35 ID:WtoVOH9do
・・・・・
女勇者「はぁ…はぁっ……」
女勇者「……くっ」
女勇者(一体どれくらい進んだの……魔物はどこ?)
女勇者(奥へと向かうたびに、息苦しくなる……)
ピチャッ
女勇者「……」
女勇者(だいぶ奥まで来た…魔物の気配はまだしない)
女勇者(一体いつになったら……)
女勇者「……」
女勇者(もしかして、あの情報は嘘……?)
女勇者(村人か死んだのもなにか別の原因で……)
女勇者「……」
女勇者(だけど…なら一体……)
――――バサッ
女勇者「!?」
132 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:01:15.74 ID:WtoVOH9do
女勇者が気を緩めた次の瞬間、突如前方から羽音がした。
すぐさま剣を構えなおし臨戦態勢入る――が、洞窟の奥から現れたなにかはとてつもないスピードで突進してきた。
とっさに剣で防ぐものの、数メートルほど飛ばされてしまう。
女勇者は地面に身体を強くぶつけながら転がっていった。
女勇者「がはっ――くぅっ!!」
すぐさま立ち上がり、再び剣を構える。
身体の痛みに歯を食いしばり、慌てず、冷静に前を見据えた。
グリーンドラゴン「……」
女勇者「グリーン……ドラゴン?」
目の前にいるのは緑色の体をした竜。人間の子供ほどの大きさで、竜としてはさほど大きくはない。
だがその数は一匹だけではなく、洞窟の暗闇から一匹、二匹とぽつぽつ現れ始めた。
最終的に五体ものグリーンドラゴンが女勇者の前に立ちはだかる。
133 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:01:56.99 ID:WtoVOH9do
グリーンドラゴン「シュウウウ……」
女勇者「こんな…に……」
その数に圧倒され女勇者はひるんだ。
グリーンドラゴン――以前本で調べたことを女勇者は思い出した。
毒を持った強力な竜であり、その強大な力はどんなに屈強な戦士でも一瞬で倒されてしまうほどだという。
しかし気性は荒くなく、人里離れた所で暮らすこの竜は他の魔物に比べれば人間に害を与えるような存在ではない。
だが、今の状況は違う。
グリーンドラゴンは人間である女勇者を襲ったのだ。
女勇者「ッ……」
先ほど受けた強烈な攻撃せいで身体がまだ痛む。最初の一撃――油断して急所をつかれてしまった。
呼吸が激しくなり額からは嫌な汗が流れている。心臓の鼓動音が強くなった。
頭の中が真っ白になる。
本能は、危機的状況だと察知している。
134 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:03:53.11 ID:WtoVOH9do
女勇者「うっ……」
グリーンドラゴンがじわじわと詰め寄ってくる。
女勇者もまた、一歩、二歩と後ろに下がった。
このまま逃げ出してしまおうか……。
女勇者「……だめ」
女勇者は唇をかみしめた。
ここで逃げるわけにはいかない。村人たちはどうする?
これ以上被害を増やさないためにも、死んでいった人たちのためにも、勇者である自分がこの竜を倒さなければいけない。
それが勇者の……自分自身の使命である。
女勇者「逃げも隠れもしない……!!」
女勇者は集中力を高め、身体に力を入れる。
そしてグリーンドラゴンの群れへと突撃した。
女勇者「せやあっ!!」
自分の身の丈もある巨大なバスターソードを竜に向かって振り下ろした。
135 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:05:10.53 ID:WtoVOH9do
空を切る音――勢いに任せた女勇者の攻撃はかわされてしまう。
すぐさま二撃目を食らわせようと剣を振り上げるようとするものの、その隙にグリーンドラゴンの攻撃を腹部に食らってしまった。
激痛が走る。内臓まで吐き出してしまいそうだ。
竜から二発の目の攻撃がきた。女勇者はなんとかかわし、竜と距離を置いたものの、痛みで次の手を出せずにいた。
女勇者(場所が狭すぎる……)
洞窟内は巨大な剣で戦うには不利な場所だった。
こうまで行動範囲が狭まると自分の大振りな攻撃では自由が利かず、相手には届かない。
136 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:05:46.23 ID:WtoVOH9do
女勇者「まだ手はあるはず…!」
相手に向かって突き刺すように剣を構え、女は突進した。
女勇者(一匹でも確実に仕留める!!)
しかし剣が竜を突き刺す前に、後ろで控えていたもう一匹の竜が女勇者を妨害した。
しっぽで剣を叩きをとされ、さらにもう一匹の竜が女勇者に向かって突進する。
激しい攻撃を食らった女勇者はそのまま壁へと激突した。
すさまじい衝撃が全身を襲う。頭を強く打ってしまい、視界が歪んだ。
女勇者「あがっ…かはっ!?」
女勇者は吐血し、そのまま倒れこんでしまった。
137 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:06:44.51 ID:WtoVOH9do
女勇者「ぅっ…ぁ……」
頭のてっぺんからつま先まで痛みを感じる。
戦おうにも指一本すら動かすことができない。
骨は折れたのか? 内臓は潰れてしまったのか?考える暇もなくグリーンドラゴンは襲ってきた。
女勇者「い…いや……っ」
叫ぼうにも声が出せない。
このまま撲殺されるか、毒を吐かれ殺されるか、それとも食われるか……。
女勇者(終わらないで……まだ……)
願いも空しく、視界が暗くなっていく。
女勇者(私には……無理なの……?)
まぶたが閉じるとともに、一滴の涙が流れる。
彼女の意識は、そのまま闇の中へと消えていった……。
―――――――――――――――
―――――――――
――――――
138 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:07:39.39 ID:WtoVOH9do
『おとーさん、おとーさん。もうまおうはいないの?』
父『ああそうだよ、もう魔王はいない。これから平和な時代が訪れるんだ』
『もうおそとであそんでもだいじょーぶ?」
母『ええ、大丈夫よ。勇者様に感謝しないとね』
『ゆーしゃさま?』
父『この世界を救ってくれたお方だ。偉大な人だよ』
『すごいひとなの?』
母『今こうやって私たちが三人で過ごせるのも、全て勇者様のおかげよ』
139 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:08:52.06 ID:WtoVOH9do
『ゆーしゃさまのおかげ…』
『わたし、ゆーしゃさまにおれいいう!』
父『そうだな、言おうな』
『ゆーしゃさまにちゅーしてあげる!』
父『ちゅ、ちゅー? まぁ…それぐらいはいいか』
『ゆーしゃさまとけっこんする!』
父『け、結婚!?』
『それでわたしもゆーしゃになって、ゆーしゃさまといっしょにわるいやつをやっつけるの!』
母『あらあら』
『はやくゆーしゃさまにあいたなぁ』
母『そうね…しばらくして落ち着いたら会いに行きましょうか』
『うん! いっぱいありがとうっていう!』
母『そうね、いっぱい言いましょうね』
『えへへっ』
――――――
―――――――――
―――――――――――――――
140 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:09:49.62 ID:WtoVOH9do
・・・・・
―― 草原 ――
??「おお勇者よ 死んでしまうとは情けない」
女勇者「……う……うぅ……」
??「これからお前を神の国へと連れてってやろう。そこはこの世と違って最高にハッピーな世界だ。安心して天に召されるといい」
女勇者「う…くっ……」
女勇者「だ……誰……?」
勇者「ようこそ、神の世界へ」
女勇者「あ……」
女勇者「ど…どういう…こと……」
141 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:11:00.74 ID:WtoVOH9do
勇者「お前は洞窟の中でグリーンドラゴンの群れに襲われ大怪我をして、そして俺に助けられここに運ばれた」
勇者「今は服を全部脱がされ全身に傷薬を塗られている」
女勇者「……」
勇者「セクハラで訴えるのなら俺はもう塗らないぞ。自分でやれ」
女勇者「……どう…して……」
勇者「俺と顔を合わせても二度と口をきかないんじゃなかったのか」
女勇者「……」
勇者「……逃げることはできたはずだ」
勇者「なぜ逃げなかった。今の実力じゃ勝てない相手だということは、自分でも分かってたはずだ」
142 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:16:29.93 ID:WtoVOH9do
女勇者「……」
勇者「無知だったからか、慢心していたからか、それともちっぽけなプライドを守るためか。どれか一つにでも捉われたら死ぬことになる」
勇者「運がよかったな五体満足で帰ってこれて。腕でももぎ取られていたらさすがに薬では治せん」
女勇者「……」
勇者「……」
勇者「……お前の仮説は正しかった。確かに生態系が変わっている」
勇者「集落が増えたせいだ、人間の住む場所が増え魔物が追いやられているんだろう」
勇者「あちこちで見かけない魔物が増えたせいで、活動が活発になったという報告も来たんだ」
女勇者「うっ…くっ…」
勇者「さっそく薬が効いたようだな。僧侶からぶんどったやつだ、王が与えた薬じゃここまで治らなかっただろうな」
143 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:17:26.65 ID:WtoVOH9do
女勇者「はぁ…はっ…」
勇者「とりあえず今日一日はここで野宿だ。明日の朝には完治している」
女勇者「ドラゴン…は」
勇者「……」
女勇者「グリーンドラゴンは、どうしたんですか…?」
勇者「まだ洞窟の中にいる」
女勇者「えっ……」
勇者「お前は知らないと思うが、あの洞窟の奥にあったのは宝じゃない」
勇者「グリーンドラゴンたちの…母親だ」
144 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:18:50.58 ID:WtoVOH9do
女勇者「母親って…」
勇者「どこかで怪我をしたんだろう、洞窟の奥で療養中だった」
勇者「あの小さなグリーンドラゴンたちは、母親を守るためにお前を攻撃したんだ」
女勇者「……」
勇者「おそらく洞窟に侵入した村人たちは、ドラゴンたちの母親を殺そうとする敵だと思われていた。だから殺された」
勇者「殺される前に、殺すってやつだ」
勇者「普段は温厚で刺激しない限り襲ってこないグリーンドラゴンたちも、今回は切羽詰っていたということだ」
女勇者「……」
勇者「母親の傷は治しておいた。今お前に使ってる傷薬と同じやつでな」
勇者「しばらくしたら完治して、すぐにここから旅立つはずだ。この辺りにはモルボルは…」
女勇者「…どうして」
勇者「……」
女勇者「どうして…そのまま……倒さなかったんですか」
145 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:19:44.76 ID:WtoVOH9do
女勇者「あなたなら倒せたはずなのに……なのにあいつらを……なんでっ…」
勇者「さっきも言ったとおりグリーンドラゴンは温厚でやさしい性格だ。普通なら人間は襲わない」
女勇者「死人が…出てるんですよ…!?」
勇者「今回は例外だ。村人たちは…運が悪かったとしかいいようがない」
女勇者「それだけ…それだけですか!?」
女勇者「人の命が奪われたのに、運が悪かったですませるんですか!?」
女勇者「倒すべきだったんです! 勇者なら!! 魔物は一匹残らず倒すべきなんです!!」
女勇者「なのにあなたは……あぐっ?!」
勇者「お前は馬鹿か。あれだけ叫べば傷口が開く」
女勇者「はっ…うぁ……ぐっ……」
勇者「……」
女勇者「どうして……っ……!」
146 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:20:49.32 ID:WtoVOH9do
勇者「…いいか、魔物だからといって全部を全部殺せばいいってもんじゃない」
勇者「グリーンドラゴンは自ら人間に手を出すことはない…やつらの主食はモルボルだ」
勇者「モルボルは危険な魔物だということぐらい知ってるだろ。毎年何人もの人間がやつらに殺されている」
勇者「そんなやつらを、グリーンドラゴンは駆逐しているんだ」
勇者「それにグリーンドラゴンの数はただでさえ減ってる。今あいつらを殺すことは人間にとって害悪にしかならん」
女勇者「けどあいつらは人を殺した!!」
勇者「お前はそれしか言えないのか!!」
女勇者「許しちゃ……許しちゃだめなんです…っ…」
147 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:22:35.12 ID:WtoVOH9do
勇者「……」
女勇者「うっ…うぅ……」
勇者「お前をそこまで激しい怒りに駆り立てる動機は一体なんだ。なぜお前はそこまで魔物を倒すことに執着する」
女勇者「っ……」
勇者「……」
女勇者「……私の両親は……魔物に殺されたんです」
女勇者「魔王が倒された次の年に……旅行中に……私だけ助かって……」
勇者「……」
女勇者「……」
勇者「……なるほどな、ありがちな話だ」
勇者「つまり勇者としてのお前を突き動かしていたものは、使命感や正義感じゃなく親を殺した魔物に対する復讐心だったわけか」
女勇者「ち、ちがう…私は……私はただ」
勇者「魔物を倒したところで死んだ人間は生き返らん。ずっと死んだままだ」
女勇者「だからって……だからってこのまま納得できるわけないじゃない!!」
勇者「……お前の気持ちは分からんでもないが、少なくともお前の両親を殺したのはあのグリーンドラゴンたちじゃないはずだ」
女勇者「っ……」
勇者「それだけ喋れれば…朝日が昇る前には完治してるだろうな。もう寝ろ」
女勇者「……うぅ…グズッ……〜〜っ」
女勇者「うぅっ……うああああああああああああ!!」
勇者「……」
女勇者「うぐっ…ひっ……っ……」
148 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:23:30.01 ID:WtoVOH9do
・・・・・翌朝
勇者「……」
女勇者「……」
勇者「俺はもう行くぞ。確かお前とは、ここでお別れだったしな」
女勇者「……」
勇者「魔物を殺したかったら好きなだけ殺せ。俺は止めん。人間の人間による人間のための世界に乾杯!」
女勇者「……あなたは」
女勇者「あなたはなぜ勇者になったんですか……」
勇者「お前に答えてやる気はない」
女勇者「私は……悔しかったんです。無力な自分が」
勇者「……」
女勇者「お父さんもお母さんも助けられなかった……あの時の私はなにもできなかった」
女勇者「そして今でさえ……」
149 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:24:19.60 ID:WtoVOH9do
勇者「……」
女勇者「……」
勇者「…今度は俺の番か? 月並みの言葉でも返せば満足か?」
女勇者「いいんです……分かってますから。こんなことを言ったって意味のないことぐらい」
女勇者「今のままじゃダメだってことも……」
女勇者「だけど頭の中で分かってても……気持ちはどうしようもないんです……っ」
勇者「……そうやって能無しの自分を見せて他人にどうにかしてもうらおうと思ってる以上、なにも変わらん」
勇者「自分を変えることができるのは、いつだって自分の行動だけだ」
女勇者「……優しくないんですね」
勇者「……」
女勇者「でも…そこまで言われるとかえって気が楽になります」
勇者「…もう行っていいか? お前といると心地いい朝が台無しになる」
150 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:25:27.20 ID:WtoVOH9do
女勇者「……」
勇者「これからはお前の好きなように旅をしろ。じゃあな」
女勇者「ま、待って! 待って…ください」
勇者「やだね」
女勇者「私はまだ未熟者だってことぐらい分かってます、だから色々と学びたいんです!」
女勇者「自分の正しいと思ったことを堂々とできるように……」
勇者「……」
女勇者「お父さんとお母さんに……胸を張って勇者だと言えるようになりたいんです」
勇者「……」
女勇者「……お願いします」
勇者「悪いが俺には、お前に教えることなんて何一つない」
女勇者「……」
勇者「それでもついて行きたいと言うのなら…それはお前の勝手だ。お前の好きにしろ」
151 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:26:22.06 ID:WtoVOH9do
女勇者「そ、それじゃあ…!」
勇者「ただし俺についてくる以上、お前は俺のパシリだ。俺の命令は絶対に聞け」
勇者「嫌なら、さよならだ」
女勇者「……わ、分かりました。言うことは聞きます」
勇者「本気で言ってるのか? 俺に夜の相手を迫られたらどうする気だ」
女勇者「えっ…そ、それは……」
勇者「ジョークだ。お前みたいなのは好みじゃない」
女勇者「……」
勇者「なんだ、言いたいことがあるのならはっきり言え。不満があるのなら立ち向かうべきだ」
女勇者「ありがとうございます、先輩」
勇者「むっ……」
女勇者「先輩がそういうのなら、不満がある時は遠慮なく文句を言わさせてもらいます」
152 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:27:38.74 ID:WtoVOH9do
勇者「図々しいやつめ。お前みたいなのが勇者として認められていることが驚きだ」
女勇者「その言葉、そっくりそのままお返しします」
勇者「はっ……半年でも俺についてこれることができたら、ご褒美に一つだけなんでも言うことを聞いてやる」
女勇者「あ…言いましたね? たった半年でいいんですか?」
勇者「その代わり、半年持たなかったらお前は一生勇者だなんて名乗るな。実家に帰って普通の村人にでもなってろ」
女勇者「望むところです。半年後には先輩の驚く顔が目に浮かびます」
勇者「…後悔するなよ、見習い」
女勇者「後悔なんてしません。勉強させてもらいます、先輩」
勇者「……早く地図を広げろ。村はどこだ」
女勇者「先輩」
勇者「どうした」
女勇者「…ありがとうございました」
勇者「…その礼はなんの礼だ」
女勇者「いえ……色々と。それじゃあ行きましょうか」
勇者「……ふん」
153 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/06(日) 22:30:49.38 ID:WtoVOH9do
今日はここまで
戦闘描写は地文にしてみましたが、慣れてないので文が読みづらいようでしたらまた変えます。
それと地名や設定なんかはFFから拝借しようと思います。
あとグリーンドラゴンがモルボル食うなんて設定本来ないんですけどね。それじゃあ。
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/11/06(日) 22:32:24.05 ID:wEi2dqH7o
乙です。
男勇者のツンデレが渋いですね。いや、俺はホモじゃないですけど
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/11/06(日) 22:32:34.14 ID:zRrc11r5o
乙
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/06(日) 22:33:24.85 ID:IPWFudZZo
乙
157 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/06(日) 22:37:21.81 ID:ghGDJIs1o
乙です
戦闘シーン面白いし分かりやすかったよ
158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/06(日) 22:37:41.67 ID:buu+4t/uo
乙〜
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(岐阜県)
[sage]:2011/11/06(日) 23:09:09.89 ID:cmfQiu9Fo
おつ
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 23:51:40.40 ID:2dqPCwug0
勇者いい。すごく
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/07(月) 00:17:31.07 ID:di+sCpYPo
女勇者もうざいが勇者も大概うざいな。
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/07(月) 04:41:55.24 ID:YbFDTzm3o
乙です
戦闘シーンわかりやすかったです
女勇者の初心者らしさがよかった
ちょっといろいろ問題児だけどどうなるか
楽しみにしてます
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(九州)
[sage]:2011/11/07(月) 10:45:07.86 ID:JP9KTQmAO
FF12か
やるな
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)
[sage]:2011/11/07(月) 12:24:21.74 ID:Cs22hmQRo
やだ、面白い
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 12:32:51.94 ID:Ysq6qS5d0
今ほどFFをやってないことを後悔したことはない
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/08(火) 20:58:23.37 ID:MdMyGdbAO
FF12ということはイヴァリースの世界か
あの世界観なら自由にいじれるな
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 21:43:47.86 ID:P5ih9Ks2o
おつ
168 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:35:28.33 ID:Ovt51hq8o
―― 王都ラバナスタ 王宮 ――
ラバナスタ女王「勇者が王都から出たですって?」
家臣「はっ! 先ほどそのような報告が」
ラバンナスタ女王「いつかそんな日がくるとは思っていたけど…ようやくといったところね」
ラバナスタ女王「彼がラバナスタに着いたらここに連れてくるのよ? いい?」
家臣「かしこまりました。それと、もう一人についてですが…」
ラバナスタ女王「もう一人?」
家臣「どうやら勇者様は付き添いとご一緒に旅をなされているようなのです」
家臣「確か女勇者とかいう…」
ラバナスタ女王「その子も勇者なの?」
家臣「はい、王都に所属している勇者です。年間に何万人も志望者数がいる中で十年に一人の逸材だとか」
169 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:36:29.32 ID:Ovt51hq8o
ラバナスタ女王「十年に一人だと言ってもまだ見習いでしょ? 勇者っていうのは将来性も見越して採用される人がほとんどだから、今のその子はたいした実力もないはずよ」
ラバナスタ女王「そんな子をよく彼がつれていこうとしたわね……その子の年齢は?」
家臣「17だそうで」
ラバナスタ女王「あら、ロリコン趣味でも身につけたのかしら」
家臣「女王様。女王様がそのような言葉使いを…」
ラバナスタ女王「彼がそんな子供と旅に出てるのが腑にお落ちないだけよ」
家臣「勇者様も世界のため後輩育成に力を注ぐ気になったのでしょう」
ラバナスタ女王「だといいのだけど…でも、普通の人間なら彼と半日も一緒にいるだけで頭の血管が切れてしまうわ」
ラバナスタ女王「彼より強い力を持った人間か、よほどのマゾヒストなら大丈夫だと思うけど」
家臣「ははっ…おっと失礼。今笑ってしまったのはご内密に……」
ラバナスタ女王「とりあえずその女勇者も到着したら一緒につれてきなさい。必要なら彼女のためにカウンセリングも用意してあげないとね」
170 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:37:04.96 ID:Ovt51hq8o
―― 草原 ――
ガキィンッ!!
女勇者「はっ! とぅ! せやあっ!!」
ズバアァッ!!
コッカトリス「グギャアアアッ!!」ドサッ
女勇者「ふぅ……倒せた」
女勇者「先輩、見てましたか? 私だってちゃんと剣技が使えるってこと…」
勇者「……」
女勇者「どうしたんですか? ボーっとして」
勇者「腹が減ったな…村に着いたらなにを食べるか考えている。それよりどうした、戦いは終わったのか?」
女勇者「っ!? まさか今の戦闘見てなかったんですか!?」
171 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:38:04.76 ID:Ovt51hq8o
勇者「終わったのなら先に進むぞ。村まであとどれくらいだ」
女勇者「今の戦いで、私にアドバイスもなにもないんですか!」
勇者「地図をよこせ。おなかと背中がくっつきそうな緊急事態だ」
女勇者「自由に戦っていいって言うから今回は剣を使ったのに……見もしないで」
勇者「お前の戦いを見るより昼飯をなににするか考えたほうがよっぽど有意義だ」
女勇者「だから私の剣の何がいけないんですか! 理由ぐらい言ってください」
勇者「女のくせにバスターソードみたいな重くてバカでかい剣を使ってる時点で論外だ。いいから地図をよこせ」
女勇者「バスターソードのなにが悪いんですか」
勇者「お前はさっきからずっと理由を言ってくださいだとか何が悪いんですかとか質問してばかりだな、少しは自分で考えろ。地図をよこせ!」バッ
172 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:39:31.67 ID:Ovt51hq8o
女勇者「…このバスターソードは、私がまだ訓練生だったころに初めて自分のお金で買った思い入れのある剣なんです」
女勇者「色々な困難もこの剣と一緒に乗り越えてきました。今の私があるのもこの剣のおかげなんです」
勇者「そうか、ならさっさと捨てろ。今のお前は役立たずだ」
女勇者「剣術の成績だってよかったんですよ!? 一度でいいから見てください!」
勇者「訓練相手が人間だったり訓練用のモンスターなら良い成績を収めて当然だ。だが野生の魔物は不規則な動きをする上に予想もしないような攻撃をすることだってあるんだ」
勇者「この先そんな相手をお前がそのバカでかい剣でさばききれるとは到底思えない」
女勇者「でもっ…」
勇者「どうせグリーンドラゴン相手にもバスターソードで立ち向かったんだろ。あの狭い洞窟内でそんな剣を使いこなせる自信があったなんて驚きだな」
173 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:40:26.57 ID:Ovt51hq8o
女勇者「ッ……」
勇者「ある国に腕の立つギター弾きがいた。そいつは隣国のギター弾きと演奏で勝負することになった」
勇者「結果は隣国のギター弾きが勝利。やつの指の動きのほうがずっと速かったんだ」
勇者「負けたギター弾きは指のトレーニングを始めた。力をつけ、もう一度やつと勝負して勝つためどんなに苦しくても練習し続けた」
勇者「そして次の年、再び勝負をした。結果は……また負けた。なぜか分かるか?」
勇者「隣国のギター弾きが使ってる弦の方がずっと軽くて良質なものだったからだ」
女勇者「……」
勇者「お前の新しい武器はラバナスタで調達する。それまでは魔法の練習でもしてろ。分かったか」
女勇者「……はい」
174 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:41:20.62 ID:Ovt51hq8o
勇者「さて、村までの距離だが…」
女勇者「砂地が広がってきましたね」
勇者「ラバナスタに近づいている証拠だ。村についたら砂漠超えの準備もしないとな、村を出てからが一苦労だ」
女勇者「ラバナスタ…大昔から栄えている大国。これまで何度も戦乱に巻き込まれながらもいまだに国を維持できてるなんてすごいですね」
勇者「ああ、長いイヴァリースの歴史の中でも古い国だ。交易の拠点だからうまいこと国が成り立ってるんだろう」
女勇者「先輩はラバナスタに行ったことは?」
勇者「俺の故郷だ」
女勇者「えっ…そ、そうだったんですか?」
勇者「思い入れは特にないがな」
女勇者「…だからって、なぜ今まであの王都に10年間も?」
勇者「娼婦の質がいいからだ」
女勇者「……」
勇者「ジョークだ、笑って流せ。ラバナスタの女も悪くないぞ」
女勇者「笑えません」
175 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:42:00.63 ID:Ovt51hq8o
―― ラバナスタ付近の村 ――
女勇者「はぁ…ようやく着きましたね」
勇者「飯屋はどこだ」
女勇者「とりあえず宿に行きませんか? それで明日の砂漠越えのために準備を…」
勇者「なら先にお前が行って予約をとっておけ。俺は飯屋に行く」
勇者「それと村長に挨拶でもしてこい。勇者だと分かればタダで泊めてくれるかもしれないからな」
女勇者「…はぁ」
勇者「どうした、早く行け。お前は俺のパシリだ、俺の手足となって喜んで働け」
女勇者「分かりました…とりあえず村長のところに行けばいいんですね?」
勇者「少し偉そうに行ったほうがいいぞ。威厳を保てるからな」
女勇者「私に先輩の物まねは無理です」
176 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/09(水) 15:43:01.44 ID:Ovt51hq8o
今日はここまで
支援ありがとうございます
177 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(中部地方)
[sage]:2011/11/09(水) 15:48:55.27 ID:w7xfJSWKo
乙
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/09(水) 15:54:27.20 ID:GhTKPXBAO
乙
わくわくする
179 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/09(水) 16:46:50.45 ID:w39DfBsDO
面白いじゃないか
なんとか書き切ってもらいたい
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/09(水) 17:31:46.69 ID:LO41mSfW0
おもしろいです
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/09(水) 18:27:24.87 ID:GxP60er+o
乙〜
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/09(水) 20:14:33.62 ID:AvMTnAD4o
追いついたけど面白いです乙
勇者の性格と設定が俺の厨二ソウルを刺激する
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(岐阜県)
[sage]:2011/11/09(水) 21:50:37.13 ID:5FZKtyTko
乙
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/09(水) 22:28:56.04 ID:xSF/IC+IO
乙です。
勇者「少し偉そうに行ったほうがいいぞ。威厳を保てるからな」
ご苦労だったな!
勇者のセリフにキュンキュン
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 00:27:00.30 ID:k5YORqNX0
今さらだが勇者の歳っていくつ?
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 00:42:29.81 ID:uojAg5PSo
明記されてない以上てめえで補完しろよゴミクズが
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/10(木) 00:52:22.44 ID:pHvgkPGeo
乙です
淡々と旅しますな
地理関係がちょい厳しいな
FF12未プレイだしググればわかるかな
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 01:01:18.21 ID:gTqPjS+IO
オイヨイヨさんの出番は…
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/10(木) 05:52:50.37 ID:z4osQ/CIo
勝手に補完するのはいいけど間違っても公開するなよ誰も聞いてないから
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長崎県)
[sage]:2011/11/10(木) 06:40:10.71 ID:/OhZH5fTo
>>186
気持ち悪wwwwwwwwwwww
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/10(木) 08:48:10.11 ID:uFeFG3XAO
乙っす
クラウドはあんな細い腕してバスターソード振り回してたんだよな…
192 :
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(九州)
[sage]:2011/11/10(木) 10:47:53.46 ID:gUVZF3lAO
>>186
質問しただけで暴言とは放射能で頭でもおかしくなってるのかな?
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)
[]:2011/11/10(木) 10:58:38.25 ID:+CFebBPO0
お前ら指摘にしろ注意にしろ暴言とか皮肉な言い回し使うのやめろよ…
>>1乙
続き楽しみだ
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/10(木) 10:59:31.28 ID:z4osQ/CIo
外出たこと無いの?目が合っただけで暴言吐いてくるのがむしろ一般的な世界で何言ってるの?
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/10(木) 11:44:43.29 ID:k2fmG2xro
※ブサ
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山陽)
[sage]:2011/11/10(木) 13:09:24.17 ID:anRwiblAO
>>194
それはお前に原因があるんだろ・・・・
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/10(木) 13:11:15.42 ID:z4osQ/CIo
俺がブサメンなのは否定しないがブサメンじゃなくても暴言自体はわりと吐かれるだろ
頻度は圧倒的に減るけど
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山陽)
[sage]:2011/11/10(木) 13:17:52.75 ID:anRwiblAO
俺チビで顔もあまり良くはないし服装もあれだけど、目を合わせただけで暴言を吐かれた事は一回しかないぞ?
その一回も高校デビューを狙ったDQNが廊下で無差別に言ってたのに巻き込まれただけだし
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/10(木) 13:19:06.82 ID:z4osQ/CIo
えっ……あっ、そうなの?ごめん……
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 15:49:11.85 ID:2abz6ZmIO
俺もないな
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 16:23:37.58 ID:jG4QYDTP0
>>191
きっと筋肉の密度が高かったたんだよ
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 18:01:48.89 ID:GgYuRrySo
タライ回しにされすぎてついにここまで低年齢化が進んだのか
今のVIPがあんなんじゃ仕方が無いかもしれないが
>>201
魔コウで強化されてたからだろ
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/10(木) 18:05:30.76 ID:G/Oo9MzG0
>>201
実は魔法で強化された発泡スチロールだったんじゃね?
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/10(木) 18:05:57.83 ID:G/Oo9MzG0
>>201
実は魔法で強化された発泡スチロールだったんじゃね?
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/10(木) 18:07:14.13 ID:G/Oo9MzG0
エラー連投、スマソ
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(西日本)
[sage]:2011/11/10(木) 18:40:52.99 ID:MsG+WO04o
よそでやってくれ
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)
[]:2011/11/10(木) 19:40:10.42 ID:/bYK6n3Zo
10年前の勇者だから女の10上だと思ってた
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/11(金) 01:08:17.89 ID:r5dkTK7SO
>>193
注意するならローカルルールくらい守ってからにしろ
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(京都府)
[]:2011/11/11(金) 06:38:16.06 ID:bJ3/7/K9o
続きがものすごく気になる
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/11(金) 12:24:37.58 ID:RlFsomkSO
お前らちょっとは大人しく待てないのか
何回もageてんじゃねえよ期待するだろ
211 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:46:43.73 ID:adZHj1Hro
・・・・・
女勇者「ごめんください」
村長「おや…観光の方かな? チョコボの貸し出しなら諸事情で今は……」
女勇者「あっ、いえ。旅の最中でして、村長さんに挨拶をしようと思いまして」
村長「挨拶? ……その大剣もしや」
女勇者「はい、実は私勇…」
村長「魔物退治屋はまだ雇ってないんだがのう」
女勇者「…退治屋ではなくて勇者です」
212 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:47:22.18 ID:adZHj1Hro
村長「ほう、なんと! 勇者様でしたか」
女勇者「すいません、突然訪問して。実は今旅をしていて…」
村長「観光ですかな? ですがチョコボの貸し出しは今事情があってできんのじゃ」
女勇者「いやですから、観光ではなく旅をしていまして…」
村長「その大剣…もしや魔物退治屋ですかな? おかしいのう、まだ雇っていないはずなんじゃが」
女勇者「私は勇者で…」
村長「観光ですかな? ですがチョコボの貸し出しは今事情があってできんのじゃ」
女勇者「ですから私は勇者で今旅をしていてこの村に立ち寄ったので村長さんに挨拶しに来たんです!」
村長「ほう、なんと! 勇者様でしたか」
女勇者「分かってもらえましたか!」
村長「観光ですかな? ですがチョコボの貸し出しは今事情があってできんのじゃ」
女勇者「……分かりました、とりあえずチョコボは諦めますから話を聞いてください」
ガチャッ
少年「おじーちゃ……」
女勇者「あっ…」
213 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:48:20.93 ID:adZHj1Hro
少年「あれ、お客さん?」
女勇者「ど、どうも」
少年「見かけない顔ですね、観光の人? チョコボは今使えないよ」
女勇者「違うけど……あなたは?」
少年「僕はこの村の村長の孫さ。つまり、そこのおじいちゃんの孫」
村長「かわいい孫でしてのう」
女勇者「は、はぁ」
少年「で、観光じゃなかったらお姉さんは何の用ですか? その大剣から察するに…魔物退治屋?」
少年「おじいちゃん、いつ退治屋なんて雇ったの?」
村長「おかしいのう、まだ雇っていないはずなんじゃが」
女勇者「……なるほど、確かに村長さんのお孫さんですね」
214 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:48:46.97 ID:adZHj1Hro
少年「お姉さんは、戦士かなにかですか?」
女勇者「そう見える?」
少年「そんな目立つ剣背負ってたら誰でもそう思いますよ。魔物退治ならもう間に合ってます」
女勇者「私、一応勇者なんだけど」
少年「……本当に?」
女勇者「ええ、王都直属のね」
少年「……」
女勇者「どうかしたの?」
少年「ぷっ…あははははは!」
女勇者「な、なに?」
少年「いえ、その大剣背負った姿に違和感あって……本当に勇者なんですか? ぜんぜん強そうには見えませんよ」
女勇者「むっ……」
215 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:49:31.93 ID:adZHj1Hro
少年「あっ…と、失礼しました。女性の勇者にちょっと驚いちゃって」
女勇者「女が勇者したらいけないの? 過去にだって女の勇者はいたんだけど」
少年「怒らないでください。無礼はお詫びします」
少年「それで、勇者様がどういった御用で?」
女勇者「旅の最中にこの村に寄ったからちょっと村長さんに挨拶をしようと思って」
村長「チョコボは今使えませんぞ」
女勇者「…ええ、分かってます」
少年「おじいちゃんはこの通りボケがひどくて。話なら僕が代わりに聞きますよ」
少年「宿の宿泊費をタダにしろとか?」
女勇者「どっかの誰かさんと違ってそんなケチなことは言いません」
少年「?」
216 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:50:05.23 ID:adZHj1Hro
―― 村の飯屋 ――
少女「いらっしゃいませー。お好きな席へどうぞ」
勇者「どうも。ここは外のテラスで食べたりはできないのかな?」
少女「すいません、飲食は店内だけなんです」
勇者「そりゃ残念だ」
少女「どうぞ、お水とメニューです」
勇者「昼時だって言うのにお客さんは少ないみたいだな」
少女「この時期はしょうがないんです。それに最近はラバナスタへの観光も飛空艇で行く人が多くて…」
少女「お客さんもラバナスタへの観光ですか?」
勇者「そういったところだ」
少女「その剣は…」
勇者「これはただのおもちゃだ、強そうな剣を持ってれば野党が襲ってこなくなるからな。サンドイッチをくれ」
217 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:50:57.85 ID:adZHj1Hro
少女「はい、サンドイッチですね。お飲み物はどうしますか?」
勇者「水でいい」
少女「牧場でとれた絞りたてのミルクとかもありますけど」
勇者「そうか、じゃあ水でいい」
少女「…はい、かしこまりました」
勇者「このボロいお店は君が一人で切り盛りしてるのか?」
少女「お父さんは三年前に死んじゃって…お母さんは病気で家で寝てます」
勇者「なるほど、そりゃ大変だな。客にミルクを勧めたくなる気持ちも分かる。俺は頼まないがな」
少女「注文してくれれば、少しは家計も楽になります」
勇者「そういうのはもう少しさりげなく言うもんだ。心配するな、俺のつれがさっきミルクを十杯ぐらい飲みたいとか言ってた気がする」
218 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:51:58.20 ID:adZHj1Hro
・・・・・
女勇者「きみ何歳?」
少年「15ですよ」
女勇者「ご両親は?」
少年「死にました。僕が物心つくまえに二人とも魔物にやられてね」
女勇者「あ…ごめんなさい」
少年「いいんですよ別に、顔も覚えてないですし。幼馴染の親に引き取られて今はその人たちが僕の親みたいなものです」
少年「姉もいるんですよ。食堂を営んでて…なにか食べに行きますか?」
女勇者「…寂しくないの?」
少年「全然。実感がないんです」
女勇者「……そう」
女勇者「それで、今はなにを? 村長さんの補佐?」
少年「おじいちゃんのお手伝いはたまにやるぐらいですよ。実は僕……騎士を目指してるんです」
219 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:52:35.17 ID:adZHj1Hro
女勇者「騎士?」
少年「はい。だから毎日身体を鍛えたり剣の練習をしたりしてるんです」
少年「村の剣術大会にだって、僕が一番を取ったりしてるんですよ」
女勇者「へ、へぇ…そうなんだ」
少年「腕立て伏せだって毎日200回もやってるから、筋肉もついたし。普通の大人より腕力は自身あります」
少年「来年には試験を受けて、国を守る職に就くつもりです!」
女勇者「国の直属試験って難しいよ? 毎年受けてもだめな人はいるし……」
女勇者「それに剣術は見てないけど、その体つきじゃまだ」
少年「大丈夫です、問題ありません。後で剣で勝負してみます? そうすれば分かりますから」
女勇者「……」
女勇者(自信過剰って…傍からだとこう見えるのね。先輩の目に映った私もこんな感じだったのかな……ちょっと反省)
女勇者「ねえ、このバスターソード持てる?」
少年「当然持てますよ、貸してください」
220 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:53:04.47 ID:adZHj1Hro
女勇者「はいどうぞ。気をつけてね、足元に落ちると大変だから」
少年「平気で……」
ズシッ
少年「!?」
少年(な、なんだコレ…こんな重かったの!?)
少年「あっ」
ドスンッ!!
女勇者「大丈夫!?」
少年「は、はい…」
少年(軽々背負ってたから…てっきりそんな重い剣じゃないと思ってたのに……)
221 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:53:42.34 ID:adZHj1Hro
女勇者「騎士になるには、それぐらい片手で持てるようにしないとね」
少年「お姉さん…筋肉もないのに一体どうやってこんな剣を」
女勇者「勇者の場合はちょっと特殊な訓練を受けててね。筋力が必要以上になくてもなくても大丈夫なようにできてるの」
少年「じゃ、じゃあ僕だって同じ条件なら!」
女勇者「勇者になるにはそれに適合できる人間じゃないとだめなの。それにきみは騎士になるんじゃないの?」
少年「…剣術なら、僕にだって心得ぐらいあります」
女勇者「そう。なら後で見てあげる」
少年「もっと分かりやすく僕の実力を証明してあげますよ。僕があのチョコボイーターを倒せれば…」
女勇者「チョコボーイーター?」
少年「さっきチョコボが使えないって言いましたよね? 原因はそのチョコボイーターなんです」
222 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:54:38.38 ID:adZHj1Hro
―― 村の飯屋 ――
勇者「チョコボイーターか…」
少女「そのせいでラバナスタ行きのチョコボも出せなくて。ここは中継地点の役割も果たしてたのに、観光の人も来なくなってもううんざり」
勇者「どのみち飛空挺でいった方が楽だし安全だ。わざわざ砂漠を越えたりするような物好きは滅多にいない」
少女「けどお客さんは、砂漠越えするつもりなんですよね?」
勇者「俺はその滅多にいない物好きだからな」
少女「気をつけた方が…チョコボイーターはチョコボだけじゃなく人間も襲うって聞きますし」
少女「ポーションや回復薬をそろえておいた方がいいですよ」
勇者「ご忠告どうも。この店にはポーションもあるのか?」
少女「はい、ありますよ。買いますか?」
勇者「…すばらしい。俺のつれがポーションを欲しがっていた気がするから後でそいつに買わせることにしよう」
223 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:55:37.11 ID:adZHj1Hro
少女「本当は退治屋さんに退治してもらうのが一番いいんですけどね…」
勇者「なら雇えばいいだろう」
少女「それが私の弟がイヤだって言ってて…」
勇者「きみの弟はこの村の権力者か? それなら挨拶に行かないとな」
少女「いえ、村長…私たちのおじいちゃんが村長でして。でもそのおじいちゃんが今は歳で…」
勇者「それできみの弟がおじいちゃんの名前をつかって好き勝手やってるってわけか」
少女「まぁ…悪く言えばそうですね。自分がチョコボイーターを倒すから部外者の協力は必要ないって言ってるんです、あの子」
少女「でもあの子はそんなことできる子じゃないんです。たしかに村では一番強いかもしれないけど…魔物を倒せるとは到底思えないし」
少女「それなのに言うことは聞かないから、このままじゃあの子チョコボイーターに挑んで……」
勇者「チョコボと間違えて食われるな」
少女「なんとか…ならないでしょうか」
勇者「俺に聞くな。教会にでも行って聞け。金払えばなんでも相談に乗ってくれるぞ」
224 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 22:57:01.43 ID:adZHj1Hro
少女「そうですよね…すいません」
少女「はぁ…どうして男の子って剣を振ったりして戦うのが好きなんだろう」
少女「弟は村の剣術大会で一位になれたからって戦士になれると思ってるし……」
少女「けど私、今はもう戦士も騎士も必要とされる時代じゃないんだと思います」
勇者「……」
少女「魔物の数は減ったし…戦うのは一部の人だけで、あとは普通に暮らすのが一番だと思います」
勇者「きみの言うとおりだ。その言葉を弟にも言ってやればいいだろ」
少女「聞く耳を持ってくれません」
勇者「なるほど…姉は賢いが弟の方は筋金入りの馬鹿みたいだな。チョコボイーターに食われてもしょうがない」
少女「そういう言い方は…ちょっと」
勇者「おっと失礼。お詫びに俺のつれがミルクをもう十杯注文するから許してくれ」
ガラッ
少年「姉ちゃん、ただいま。お客さんだよ」
225 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/11(金) 23:00:36.56 ID:adZHj1Hro
ここまで
世界観はFF12から数百年後ぐらいです。
勇者の年齢は37、8です。
226 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/11/11(金) 23:01:37.72 ID:bxwRlK6Ro
乙です。
じじい村長の会話なんかこわい・・・・。連投かと思っちゃった。
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(山陽)
[sage]:2011/11/11(金) 23:21:10.83 ID:1Gx4bttAO
おつ。
爺、いいキャラしてやがる・・・
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(九州)
[sage]:2011/11/12(土) 00:19:06.09 ID:15pV1UBAO
37、8歳とか初老間近じゃねえかwwwwwwwwww
20代後半だと思ってたわ
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/12(土) 00:19:43.06 ID:sWGk3u3vo
おつです
勇者は連れにどんだけ牛乳飲ませる気なんだww
230 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/12(土) 02:01:22.59 ID:IOn8ACXHo
じゃあ27の時に魔王倒したのか?
老け過ぎじゃね?
231 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/12(土) 04:39:35.14 ID:TRXCIaeAO
乙
DMC4のダンテが37ぐらいだったし老けすぎってわけでもないか
232 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(北海道)
[sage]:2011/11/12(土) 07:46:56.03 ID:MMTY9ZDAO
どうでもいいけど魔法の台詞がモロディシディア
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/12(土) 08:28:55.80 ID:GCwuiZ66o
乙〜
234 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2011/11/12(土) 20:55:02.69 ID:+JuB17uho
週末は忙しいんで更新がちょっと遅れるかもしれないです
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(茨城県)
[sage]:2011/11/12(土) 22:38:10.63 ID:hMjFpni6o
乙ですー
村長にそこはかとなく狂気を感じた
物語の終了後の世界の雰囲気ってきっとこんな感じなんだろなーと
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(中部地方)
[sage]:2011/11/13(日) 14:24:05.80 ID:gCbEzAUJ0
乙です
この後どう展開していってどう収束するのか
とても楽しみです
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/13(日) 23:31:31.77 ID:P40yLa/T0
回復薬しか使ってないけど、回復魔法はないの?
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/14(月) 09:54:21.01 ID:5IO/OcJBo
ジョブ制限じゃね?
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/14(月) 21:55:27.58 ID:LrlPp74G0
>>238
勇者はオールマイティなんだから使えるだろ
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/14(月) 22:06:11.08 ID:OKYpIw/IO
どんなシステムを採用してるかは>>1次第だろ
作品によっては回復魔法がないものもある
JRPGに毒されすぎだ
241 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(山陽)
[sage]:2011/11/14(月) 23:31:49.82 ID:iBeFOcsAO
戦闘中だと女勇者は使えないだろ?大剣振り回すのに必死でさ。
戦いが終わって喉の渇きを潤すのを兼ねてローション飲むんだろ。
242 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2011/11/15(火) 00:23:09.47 ID:M4Qz0peGo
システムとかは特に考えてないです。
職業は名義上ドラクエからも少し拝借する感じです。
ちなみに勇者は黒魔法が使えるパラディンみたいなものだと思ってもらえればいいです。
>>237
勇者は回復魔法を覚えてますが普段は自分自身のためにしか使わないです。
女勇者はまだ覚えていません。
243 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:33:38.62 ID:xs4kX/eoo
少女「こら、どこ行ってたの! 家の手伝いもしないで」
少年「だからこうやってお客さんを連れてきたって言ってるじゃん」
少女「え?」
女勇者「ど、どうも」
少女「あっ…いらっしゃいませ。すいません、今お席にご案内しますので」
女勇者「いえ、お構いなく……って、先輩?」
勇者「……」
女勇者「こんな所にいた。なにやってるんですか」
勇者「見ての通りだ、サンドイッチを食べてる。家の手伝いはこれを食べ終わった後にやるから怒らないでくれ」
女勇者「……ここでご飯食べていたんですね、分かりました」
244 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:34:05.06 ID:xs4kX/eoo
少女「お知り合いなんですか?」
女勇者「ええ、まぁ……」
勇者「こいつがさっき言ってたつれだ。例のあれを持ってきてやってくれ」
少女「ああ、はい。分かりました、ちょっと待っててくださいね」
女勇者「?」
勇者「それで、宿の予約は?」
女勇者「え? まだ行ってないですけど…」
勇者「なんだと? 使えないやつめ」
女勇者「それどころじゃないですよ。さっき村長さんに会って…」
少年「宿なら予約を入れなくても泊まれますよ。今はお客さんもいないですし」
勇者「…きみは宿の使用人か何かか?」
少年「いえ、違います。この村の村長代行みたいなことを今はやっています」
少年「女勇者さんのお仲間ということは…あなたも勇者なんですよね? 初めまして、お会いできて光栄です!」
245 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:34:35.85 ID:xs4kX/eoo
勇者「ああ、どうも」
少年「女勇者さんから聞きました、10年前にあの魔王を倒したんですよね? すごいなぁ、まさかそんな人に会えるなんて」
少年「あっ、サインもらってもいいですか? あと握手も」
女勇者(なんか私の時とリアクションが全然違う…)
勇者「俺も君に会えて嬉しいよ」
少年「10年前のお話とか、聞かせてもらえせんか? お願いします!」
勇者「君のことはお姉さんから聞いてる」
少年「えっ?」
勇者「騎士を目指しながらボケたじいさんの名前を借りて家の手伝いもしないで遊んでばかりいるろくでなしの弟だそうだな」
少年「…姉さんがそんなことを?」
勇者「世間知らずの馬鹿弟だったかもしれない」
少年「……勘違いしないでください。別に遊んでいるわけじゃないんです」
少年「トレーニングをしているだけです! 僕は、騎士になるために……」
246 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:35:18.08 ID:xs4kX/eoo
勇者「そうか」
少年「本当です、信じてください!」
勇者「ああ、信じているとも。どうやら君は騎士に強い憧れを抱いているみたいだな」
少年「はい! 国を守り、平和の礎を築き上げることこそが僕の進むべき道だと思っています!」
勇者「なるほど、立派だ。うちのぐーたらな見習いにも同じことを聞かせてやりたいよ。おっとここにいたか」
女勇者「私のどこがぐーたらなんですか!」
勇者「宿の予約も取れないやつをぐーたらと言ってなにが悪い」
勇者「どうだ、ここは一つお前に騎士の適正があるかどうか俺が見てやろうか?」
少年「本当ですか!? ぜひお願いします! さっそく剣を持ってきて…」
勇者「いや、いい。そんなものは必要ない」
少年「ですが、剣術を見てもらいたくて」
勇者「騎士というのは重い装備を難なく身につけ戦えるぐらい強靭な肉体が必要だ。その肉体がなければそもそも騎士になんかなれやしない」
勇者「騎士にふさわしい体かチェックしてやる」
247 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:35:57.67 ID:xs4kX/eoo
少年「筋トレは毎日しています!」
勇者「ふむ…だが身体は細いな」
少年「それは体質で……け、けどこれから大きくなるはずです」
勇者「両腕を横に上げてみろ」
少年「え?」
勇者「水平に上げるんだ。ほら、早くしろ」
少年「は、はい!」
勇者「……」
少年「……あの、これでなにか分かるんですか?」
勇者「ああ、分かるとも。君は騎士には向いていないということが分かった」
少年「!?」
勇者「そうだな…騎士にはなれないが、かかしなんてどうだ?」
少年「かかし……?」
勇者「田んぼに突っ立っているあれだ。それなら君の細い身体でも十分にできる仕事だろう」
勇者「ちょうど今のポーズもかかしっぽいしな」
少年「……」
248 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:36:41.57 ID:xs4kX/eoo
女勇者「彼になにをやらせているんですか」
勇者「俺は適職を勧めてやってるだけだ」
女勇者「かかしなんて職業でもなんでもないですよ!」
勇者「だが仕事しないで毎日遊んでいるよりはマシだろ。かかしは畑を守っているんだぞ」
少年「お願いします! 真剣に見てください!」
勇者「悪いが男の体を真剣に見る趣味はないんだ。かかしが嫌ならお前に合う職業なんか俺には見つかりっこない」
少年「そんな……」
女勇者「言いすぎです。こんな嫌がらせみたいなことまでして…」
勇者「楽しくないか?」
女勇者「……はぁ、考えられない」
少女「お待たせしましたー…って、どうしたんですか?」
249 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:37:28.54 ID:xs4kX/eoo
少年「姉さん! 姉さんが僕のことを変な風に言うから誤解されたじゃないか!!」
少女「な、なんの話よ」
少年「僕は毎日遊んでいるわけじゃない!! 騎士になるために準備をしているんだ!!」
少年「それをろくでなしだとか世間知らずだとか…勝手なこと言わないでよ!!」
少女「ちょっと、落ち着きなさい。お客さんの前なのよ?」
少年「なんだよ、姉さんが悪いんじゃないか!」
少女「なんの話かは知らないけど、あなたが遊んでいるのは本当のことでしょ?」
少年「遊んでるんじゃないって言ってるだろ! 僕は夢を追いかけているだけだ!!」
少女「それ、家に迷惑をかけてまで追う夢なの?」
少年「これだよ……だからこんな所は嫌なんだよ。もうこんな家も村も出てってやる!!」
少女「出て行ったところであんたに行くあてなんてないでしょ!!」
250 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:38:06.67 ID:xs4kX/eoo
勇者「…よし、始まったな。俺たちはもう行くぞ」
女勇者「え? 行くって…喧嘩してますよ、止めなくていいんですか?」
勇者「なんで俺たちが止める必要がある。姉弟喧嘩の間に他人が割り込んでもしょうがないだろ」
女勇者「だけど、喧嘩の原因は先輩にもあるんだし…」
勇者「俺はなにも悪いことはしていない。あの喧嘩は起こるべくして起きたものだ」
勇者「それにこれ以上あのガキにしつこくせまられるのも面倒だからな。ちょうどいい、ここで退散だ」
女勇者「……あっ、まさかそれが目的で喧嘩させたんですか!? 自分が彼の相手をしたくないからって」
勇者「まさか、誰がそんなひどいことを」
女勇者「先輩、あのですね…」
勇者「これは飯代だ、お前が払いに行け」
女勇者「……なんで私が?」
勇者「いいから行ってこい」
251 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:38:55.67 ID:xs4kX/eoo
少女「いつまでも子供みたいなこと言わないの!」
少年「僕はまだ15だ! まだ先があるのにこんな村で一生を終えたくはない!!」
少女「またそんなこと言って…!!」
女勇者「あのー…喧嘩中に申し訳ないんですけど、お金を」
少女「あ……す、すいません、サンドイッチ代ですね。はい、確かに受け取りました」
少女「それと女勇者さんにはこれを」ドサッ
女勇者「え? なんですかこれ…」
少女「ミルク20本とポーション10本。合計9000ギルになります」
女勇者「……はい?」
少女「9000ギルです」
女勇者「……」
252 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:40:27.86 ID:xs4kX/eoo
・・・・・
勇者「さてと、宿にでも行くか…」
女勇者「先輩! ちょっと待って、待ってください!!」
勇者「遅いぞ、ちゃんと支払いは済ませただろうな」
女勇者「何なんですかこのミルク、私こんなに買った覚えありませんよ!?」
勇者「それはおかしいな。お前もこの村の村長と同じくボケはじめたか」
女勇者「こんなことしたの先輩しかいないでしょ!」
勇者「ミルクの1本や2本ぐらいいいだろ」
女勇者「20本もあります。9000ギルもしたんですよ!?」
勇者「彼女たちは生活苦だったんだ。それに貢献したと思えばいいだろ」
勇者「それとも魔物退治はするが一般庶民のささいな手助けはしないっていうのか? 血も涙もない勇者め」
女勇者「……だったら先輩も買えばよかったじゃないですか」
勇者「ミルクアレルギーなんだ。飲むと発疹が出る」
女勇者「絶対うそ……」
253 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:41:12.26 ID:xs4kX/eoo
女勇者「それより本当にいいんですか? あの二人をほっといて」
勇者「そんなに気になるのなら止めにでも戻れ。結果は見えてるがな」
女勇者「…彼の言っていたことも一理あると思います。まだ15歳なんですし、これからどうなるか分からないじゃないですか」
勇者「さすが17歳で勇者になったお方が言うと説得力がありますな」
女勇者「……確かに私は史上最年少の勇者とも言われましたが」
勇者「おっと自慢か。イヤらしいやつだ」
女勇者「ち、違います! そういう意味で言ったんじゃありません!」
勇者「15歳でも30歳でも、闘いに向いている人間かそうじゃないかなんて一目見れば分かる。体つきなんてどうでもいい」
勇者「あいつは、闘いに向いている人間じゃない。どんくさそうだしな」
女勇者「……けど彼、納得しないと思いますよ。ほら」
勇者「ん?」
少年「あの、待ってくださーい!!」
254 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:41:46.90 ID:xs4kX/eoo
女勇者「追ってきましたね」
勇者「……」
少年「待ってください勇者様」
勇者「様付けしても待ってはやらん」
少年「お願いです、待ってください!」
勇者「はぁ……」
女勇者「お姉さんはどうしたの?」
少年「あいつはもうどうでもいいんです。家は出てきました」
女勇者「そんなことしたらダメじゃない」
少年「いいんです! それより勇者様、僕も旅につれてってください!」
勇者「ダメだ。連れて行く理由がない」
少年「僕は勇者様の下で修行をしたいんです! そうすればきっと一流の騎士に……」
255 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:42:44.98 ID:xs4kX/eoo
勇者「騎士になりたかったら騎士のところで修行すればいいだろ」
少年「勇者様のような伝説の戦士の下で修行したいんです!」
勇者「……」
女勇者「伝説、か…」
勇者「何がおかしい。確かに俺は伝説のような存在だろ」
女勇者「伝説になるような人は当てつけにミルクを買わせるようなことしないと思いますけど」
勇者「まだ言ってるのか、お前根に持つタイプだろ?」
女勇者「9000ギルもしたんだから当然じゃないですか」
少年「お願いします勇者様!!」
勇者「ダメだ。お前はさっさと帰れ」
少年「なんで……僕だって彼女と年齢は変わらないのに!」
少年「もっと鍛えれば、絶対に強くなりますから!! だから僕も連れてってください!」
勇者「こいつは俺の愛人だ、愛し合っている。それに下の世話もさせている、だから一緒に連れているんだ」
女勇者「はぁ!?」
勇者「お前にそんなことできるか? 俺はゲイじゃないからお前のケツの穴にも興味はない」
勇者「分かったら俺たちの邪魔はしないでくれ、二人きりでラブラブしたいんだ。さっさと俺たちの目の前から消えろ」
少年「そ、そんな……」
勇者「そういうことだ。じゃあな」
256 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:43:53.95 ID:xs4kX/eoo
・・・・・
勇者「よし、流石にもう行ったか」
女勇者「せ、先輩! 何なんですかさっきのは!!」
勇者「何がだ」
女勇者「わ、私のことをああああ、あ、あいじ、愛人って」
勇者「ああ、嘘だ」
女勇者「なんでそんな嘘つくんですか!?」
勇者「ああ言った方が、手っ取り早く諦めてくれるだろ」
女勇者「だからってあんな嘘つかないでくださいよ……」
勇者「なにを困ることがあるんだ」
女勇者「勘違いされるじゃないですか!! 絶対変な風に思われてます!!」
勇者「別にあいつとはこの村を出ればもう会わなくなるんだ。どう思われたって関係ないだろ」
257 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:45:05.17 ID:xs4kX/eoo
女勇者「少しは人の気持ちも考えてください! 私怒ってるんですよ!?」
勇者「ああ、お前の怒ってる顔は最高に笑えるよ」
女勇者「もうなんでこの人は……」
勇者「愛人じゃ不満か? 妻でもいいが年が離れすぎている」
女勇者「いい加減にしてください。私と先輩はそういう関係じゃありません」
勇者「だから嘘だと言ってるだろ。それとも、嘘だったということが残念だったのか?」
女勇者「なっ…なに言ってるんですか、そんなことありえません。いい加減セクハラですよ!」
勇者「女はセクハラされるうちが華だ。歳をとったら見向きもされなくなるからな」
女勇者「勝手なことを……」
勇者「それより宿に行くぞ。俺はもう疲れ――」
少年「待ってください! 勇者様! 勇者様ー!!」
女勇者「……」
勇者「……マジか」
258 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:46:17.74 ID:xs4kX/eoo
少年「お願いです、どうしても勇者様の下で修行したいんです!!」
勇者「三人ではしない主義だ。さっさと帰れ」
少年「荷物運びとか、雑用をしますから!」
少年「それに帰る所なんてありません! もう家は出たんです!」
女勇者「家を出たって…お姉さんはあなたの帰りを待ってるはずよ」
女勇者「それに、今はあなたが村長の代行なんでしょ? 勝手に村を飛び出したりしたらダメじゃない」
少年「もうこんな村はいいんです。僕はもっと成長したいんだ…!」
勇者「……」
少年「お願いします勇者様! なんでもしますから僕を――」
ゴッ!!
少年「がっ!?」ドサッ
女勇者「!?」
勇者「おっと失礼」
259 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:47:15.24 ID:xs4kX/eoo
女勇者「な、なにやってるんですか!」
勇者「俺がそれとなく右腕を突き出したら拳がこいつの顔面にたまたま正面衝突してしまったんだ」
女勇者「殴ったんじゃないですか! 彼気絶してますよ!?」
勇者「ああ、おかげで静かになった。この方が手っ取り早かったんだ、もっと早くにやればよかったよ」
女勇者「どうするんですかこの子……」
勇者「ほっとけ。こいつの相手はもううんざりだ」
女勇者「でも、この調子じゃ目が覚めたらまた来ますよ?」
勇者「ならどこかに縛っておけ。とにかく俺はもう行く」
女勇者「あっ、ちょっと先輩!」
少年「……」
女勇者「……はぁ、しょうがない」
260 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/16(水) 00:48:12.32 ID:xs4kX/eoo
とりあえずここまで
おやすみなさい
261 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/16(水) 00:50:08.31 ID:iOxr7RKmo
おつおつ
262 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/16(水) 00:54:49.60 ID:D8v5erG8o
乙〜
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/16(水) 00:57:41.13 ID:IUHhB1LXo
クソガキうざいな〜
乙
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/16(水) 01:09:54.20 ID:Or/C5qSDO
相変わらず本心が見えづらい
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/16(水) 02:13:30.01 ID:VU7PzXnzo
自分の村捨てるようなやついらんわなー
266 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(西日本)
[sage]:2011/11/16(水) 02:17:44.47 ID:xkdrm7ddo
このガキうざすぎww
267 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/16(水) 03:11:57.54 ID:CGtBnWelo
自分の村も守ろうとも思えない奴にそもそも騎士なんて無理だよなぁ
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/16(水) 03:44:21.23 ID:uNW+wbHIO
勇者のキャラキツイな
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/16(水) 07:38:14.52 ID:ZAwuv0mIo
自分の部屋を守れないやつに社会の仕事なんてできるわけないよな
今日もしっかり自室を守ろう
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/16(水) 20:12:07.60 ID:dlTHxcjDO
自分の部屋も守れないorz
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(北海道)
[sage]:2011/11/16(水) 20:26:52.87 ID:rIgoSQ2N0
>>270
ならせめてPCだけでも死ぬ気で守り通そうぜ。
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/16(水) 21:38:20.25 ID:8zPI9CAIO
勇者も全てにおいて正しい訳じゃない辺りが良い感じ。
続き楽しみにしてる
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/17(木) 18:23:51.05 ID:ehYxbOqS0
勇者の考えが理解しきれない
でもただならぬ理由があるんだろうな
誰でもいいから俺に国語力を分けてくれ
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/17(木) 18:36:58.01 ID:GY649/PAO
何がそんなに難しくて理解できないことがあるんだ
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(京都府)
[]:2011/11/18(金) 03:25:42.56 ID:fSqdkqZ6o
勇者のキャラ嫌いじゃないけど
言ってることがいちいち癪に障るんだよな
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(栃木県)
[sage]:2011/11/18(金) 03:37:28.58 ID:ZH/is7EHo
だからそういうキャラなんだろ
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/18(金) 03:41:14.08 ID:JnS0eqAxo
こういう不用意な発言でこの少年将来悪堕ちしそうな気がする
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/18(金) 20:37:42.35 ID:GHFx1W5DO
とりあえず糞ガキが仲間になるような展開は勘弁していただきたい
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(北海道)
[sage]:2011/11/19(土) 23:32:54.16 ID:KMlzecpAO
むしろ将来を考えれば、大人なら突き放すのが当然じゃね
いくら情熱燃やしたところで、なれないもんはなれない
例外もあるだろうが、まぁ一般的に考えれば突き放して正解
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/20(日) 01:40:59.09 ID:SuaqAk2Qo
いたずらに少年の心抉るような発言することもないと思うけどな
まぁこの少年は庇い伊達するほどいい子ってわけじゃないけど
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(空)
[sage]:2011/11/20(日) 09:50:17.44 ID:xbxA2Y1G0
むしろ、よくないこだからな
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(愛知県)
[sage]:2011/11/20(日) 22:06:27.23 ID:TZ/ANlujo
糞ガキにはちょっと辛辣なくらいで丁度いい
寝てる間に石抱きでもさせとけばいいんだ
283 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2011/11/21(月) 23:05:53.55 ID:FKV+MzB6o
遅れてすいません
明日か明後日には更新します
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/21(月) 23:06:53.86 ID:8hu6Gzgyo
????@
285 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(山陽)
[sage]:2011/11/21(月) 23:33:35.27 ID:wJO+b3SAO
まってるぜ!
286 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/22(火) 01:04:07.25 ID:C+KMMN8l0
まーつーわ、何時までもまーつーわ
287 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(岐阜県)
[sage]:2011/11/22(火) 01:30:36.98 ID:B5OArt+Eo
待っとるわー
288 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:14:59.46 ID:x/w9C6jlo
・・・・・
少年「う……うぅ」
女勇者「あっ、目が覚めた?」
少年「あ……れ……」
少年「ここは……?」
女勇者「君の家よ」
少年「えっ……いたっ!?」
女勇者「口の中が少し切れてるみたい。後これといって外傷は…ないけど」
少年「僕……そうだ、勇者様に」
少女「あれだけ失礼なことをしたんだから当然よ。どう? これでもう気がすんだ?」
289 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:15:33.82 ID:x/w9C6jlo
少年「気がすんだって……何がさ」
少女「呆れた…勇者様にも無理だって言われてるのに騎士になれるわけないでしょ。もういい加減に諦めなさい」
少年「姉さんには関係ないだろ……」
少女「あなたのためを思って言ってるの。普通に暮らすほうが…」
少年「なんだよみんなして!! まだ何もやってないのに何でそんな風に否定するんだよ!?」
女勇者「お、落ち着いて少年君。とりあえず冷静になろ?」
少年「はぁ…はぁ…」
女勇者「先輩がしたことは確かに失礼なことだったけど…君ももう少しお姉さんの話を聞かないと」
少年「何度話したって同じことしか言わないんですよ……」
少年「僕には騎士は無理だ、家の手伝いをしろ、現実を見ろ……一方的に否定するだけで、僕の話なんて聞いちゃくれない」
少女「聞いてないのはあなたの方でしょ、自分勝手でわがままなことを言ってるだけじゃない。今どんなに苦労してるかも知らないで…」
少年「だからって何で僕だけ自由に好きなことができないんだよ!! 他の村や国の子は自分の道を好きなように進んでいるのに!!」
少女「苦しんでいるのはあなただけじゃないの!!」
女勇者「ふ、二人とも、とりあえず落ち着いて!」
290 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:15:54.97 ID:x/w9C6jlo
少女「お願いだからもうわがままを言わないで……どうして私の気持ちを分かってくれないの」
少年「姉さんだって僕の気持ちを分かってくれないじゃないか。なんで騎士を目指してる僕の邪魔をするんだ」
少女「騎士だから何だっていうのよ! 普通に暮らせるほうが幸せじゃない」
少年「騎士になれば今よりお金も入って家も村も豊かになれる」
少年「僕の人生だって……こんなつまんない村で終わるよりもずっと誇らしい人生になれる!!」
少女「そんなことない…なんでそんなこと言うのよ! この村は私たちの故郷なのに!」
少年「もう時代は変わっているんだよ! 飛空挺はあちこちを飛び回ってる、機械の力で暮らしは楽になった、時代はどんどん進歩していっている!!」
少年「それなのにいつまでもこんな村にはいたくないんだ!!」
少女「私は心配してるの! 騎士になって怪我したり…死んだりしたらどうするの!?」
少年「そんなこと言っていたらなにも変わりはしない!! なにもできないじゃないか!!」
少女「お母さんだって病気で寝込んでるの知ってるでしょ!? お願いだらこれ以上勝手なことは…」
少年「……どうせ本当のお母さんじゃない」
少女「――!!」
パチンッ!!
291 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:16:22.75 ID:x/w9C6jlo
少年「ッ!?」
女勇者「あっ……」
少女「見損なったわよ……そんなこと言うなんて……」
少女「もうあなたなんか家族でもなんでもない……出てって……」
少年「……」
少女「出てって!!」
少年「出て行くさ……こんな家……こんな村……」
少年「もううんざりだ!!」
ガチャッ、バタンッ!!
少女「……」
女勇者「あ…あの……」
少女「うっ……グズッ……うええぇぇん」
女勇者「……」
女勇者(結局、なにもできなかった……)
292 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:16:48.82 ID:x/w9C6jlo
・・・・・
少女「グスッ……ヒッグ……」
女勇者「大丈夫…?」
少女「す…すみません……」
女勇者「いいの、気にしないで」
少女「……」
女勇者「……少年君も、きっと本気であんなこと言ったんじゃないと思う。ただちょっと、頭に血が上っちゃっただけで…」
少女「……」
女勇者「戻ってくるよ、きっと。あなたのことが嫌いなわけないじゃない」
女勇者「家族なんでしょ?」
少女「……そう思ってました」
少女「けど今はもう……分からなくなって……」
女勇者「……私が少年君を探してくる。そしたらもう一度話し合お?」
少女「……」
女勇者「大丈夫…きっと仲直りできる。だから、待っててね」
293 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:17:41.36 ID:x/w9C6jlo
・・・・・
女勇者(日が暮れてる……村の外に出てないといいけど)
女勇者「どこにいるの……」
勇者「なにしてるんだ、こんな所で」
女勇者「あっ、先輩! 大変なんです!!」
勇者「当ててやろうか? あの姉弟のケンカに首を突っ込んで結局なにもできなかったんだろ?」
女勇者「うっ……そ、それだけじゃないんです」
女勇者「少年君がいなくなったんです、先輩のところには来てませんか?」
勇者「来てない。お前の分の部屋はとってないぞ、宿に行ったら自分で部屋をとっとけ」
女勇者「な、なんでそんな他人事みたいな態度をとるんですか!?」
勇者「他人事だからだ。それに俺は今から夕飯を食べに行くので忙しいんだ、宿の飯は不味かったからな。お前も外食ですませた方がいいぞ」
女勇者「……心配じゃないんですか」
勇者「どうして心配する必要がある。たかが子供の家出だぞ」
勇者「それに居場所なんて大体検討がつく。チョコボ屋でチョコボが一匹いなくなっていたら、おそらくあいつはチョコボイーターを倒しに向かってるはずだ」
女勇者「えっ……」
294 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:18:43.56 ID:x/w9C6jlo
勇者「あの性格だ。もし自分があの魔物を倒せることができたら、周りのみんなに認めてもらえると思って考えもせずに飛び出したんだろう」
女勇者「もう夜になるのに……」
勇者「言っただろ、馬鹿なんだよあいつは」
女勇者「チョコボイーターなんて普通の人が勝てる魔物じゃない……助けに行きましょう先輩!!」
勇者「やだね、俺は行かない。関係ないって言っただろ。それに俺はそんなの無謀だともあいつに言った覚えがあるような気が……どうだったかな」
勇者「どちらにしろ、チョコボイーターは日が沈んでからは現れるまで時間がかかる。そんなに慌てる必要はない」
女勇者「だからって今は助けに行かないつもりですか!? もしものことがあったらどうするんですか!!」
勇者「……」
女勇者「あの子は今とても悩んでいるんです……お姉さんとケンカして、家を飛び出して」
女勇者「そもそも先輩があの子にあんなひどいことを言わなければ、あの子だってあんな風には……」
勇者「なんだそれは。話は見えないがどうせ見当違いだ」
勇者「俺が何を言おうが言うまいが、あの姉弟はいつかケンカして世間知らずの馬鹿ガキは家を飛び出る運命だったんだ」
勇者「それに俺はあいつにはかかしが適職だってアドバイスしてやったんだぞ。それなのにあの馬鹿は人の話も聞かないで」
女勇者「……前から思っていましたけど、人を馬鹿にすることはそんなに楽しいですか?」
勇者「楽しいね、俺の特技だ。今度全国アマチュア悪口大会に出てみようと思う」
295 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:19:38.53 ID:x/w9C6jlo
女勇者「……あの子の夢は確かに向こう見ずだったし、軽率な行動をしていたかもしれません」
女勇者「それでも夢は夢だったんです。あの子にとっては希望だったんです」
勇者「つまりお前は弟側につくってことか。俺は姉の意見に賛同しているがな」
勇者「だがなぜ急に弟の肩を持つようになった? 親が死んで戦士を目指すという同じ境遇に感情移入でもしたのか? やわなやつめ」
女勇者「私はどっちの味方とかそういう話じゃなくて、人のことを好き勝手に侮辱する先輩が許せないんです!!」
女勇者「その性格…どうにかした方がいいですよ」
勇者「素敵な性格だろ。今さらどうしろっていうんだ」
女勇者「っ…!?」
勇者「結局お前は何がしたいんだ。あのガキを助けに行くんじゃないのか? 早く行かないと食われるかもしれないぞ」
女勇者「……なら助けたら、先輩はあの子に謝ってください」
勇者「なぜだ。理由がないだろ」
女勇者「あの子は先輩に憧れていた。だけど先輩はあの子を傷つけた。だからです」
296 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:20:22.51 ID:x/w9C6jlo
勇者「断る、謝る気などない」
女勇者「なぜもう少し優しい言い方ができなかったんですか……人の希望を馬鹿にするなんてあなたでも許されることじゃない」
勇者「お前はさっきからなぜそんなことで怒っているんだ」
女勇者「罪悪感を感じないんですか!? あの子に対して、他人に対して!!」
女勇者「どうして人の気持ちを平気で踏みにじるようなことが言えるんですか!!」
勇者「他人の気持ちなんてどうでもいい。そんなものは屁でもない」
女勇者「ッ……」
勇者「あいつには才能がないと言っただろ。才能のないやつに希望を与えても毒にしかならん」
勇者「そんなやつには自信もプライドもへし折ってどん底に叩き落したほうがいいんだ」
女勇者「……私を馬鹿にするのも、才能がないからですか?」
勇者「そう思うんだったら今すぐ勇者辞めてもいいんだぞ?」
297 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:25:52.69 ID:x/w9C6jlo
女勇者「……もう行きます」
勇者「……」
女勇者「希望は…人にっとて大切なものです。生きるために必要なんです。それを馬鹿にするあなたを私は許さない」
勇者「ならお前の希望はなんだ? 世界中の魔物をなぶり殺しにすることか?」
女勇者「私の希望は……あくまで世界の平和です」
勇者「だったら平和の定義について朝まで語り明かそう。平和とはなんだ、この世界は今本当に平和なのかどうか」
女勇者「そんな時間はありません! 早く行かないと…」
勇者「ああ、お前が無駄話してる間にもう食われてるかもな」
女勇者「……もしかして自分の夢が叶えられなかった腹いせに、人の夢を馬鹿にしたりしてるんですか?」
勇者「……」
女勇者「だとしたら勇者としての実績は偉大かもしれませんが、人間としては最低ですね」
女勇者「……本当に世界を救ったかどうかも怪しい」
勇者「……はっ」
298 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:26:20.67 ID:x/w9C6jlo
―― チョコボ屋 ――
女勇者「あの、チョコボは貸し出されたりしてませんか!?」
「え? さっき村長のお孫さんが一匹借りていって…」
女勇者「!?」
女勇者(だとしたら、やっぱり……)
「こんな時間にどうしたんだろうかね。ただでさえ今は危険なのに……」
女勇者「ならなぜ貸したんですか!!」
「だ、だって村長のお孫さんだし」
女勇者「……私にも一匹貸してください」
「なんで…」
女勇者「あの子を助けに行くんです!!」
299 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:26:47.82 ID:x/w9C6jlo
―― 少年・少女の家 ――
少女「……」
少女「お母さん…私どうしたら……」
コンコンッ
少女「……?」
ガチャッ
勇者「こんばんわ」
少女「あっ」
勇者「飯屋の方に行ったら閉まってたんだが…夜はやってないのか?」
少女「すいません…今日はちょっと」
勇者「弟がいなくなったからか?」
少女「!!」
300 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:27:38.10 ID:x/w9C6jlo
勇者「心配するな、そんな話をしに来たんじゃない。昼間に食べたサンドイッチについて意見があってな」
少女「サンドイッチ…ですか?」
勇者「ピクルスは入れないほうがいい、あれのせいで客足が遠のいているんだ。味は良いのにもったいない」
少女「そう……ですか」
少女「……」
勇者「……」
少女「あのっ」
勇者「弟を探すんだったら自分で行け。……と言っても、今は無理かもな」
少女「え?」
勇者「お前の馬鹿な弟は、チョコボイーターを倒しに砂漠の方へと行った」
301 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/11/23(水) 15:28:08.73 ID:x/w9C6jlo
とりあえずここまで
また明日か明後日に
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/23(水) 15:35:14.79 ID:TUgOxnIso
乙
なんだかんだ言って勇者優しいよな
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(長屋)
[sage]:2011/11/23(水) 16:00:29.64 ID:+DZhPmU4o
あー、なんだろう
すごい女勇者の言ってることがファンタジーとして正しいのにどうしても勇者のが魅力的
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(関西地方)
[sage]:2011/11/23(水) 16:11:48.90 ID:n4z9K+E80
ファンタジーの主人公としては女勇者でいいんだろう
現実的に突き詰めたら勇者の方が素敵なだけで
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/23(水) 16:22:31.33 ID:YPvTw8eIO
乙
勇者の方が素敵だろ
女勇者とかはただの子供の戯言にすぎん
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/23(水) 16:28:28.07 ID:FNmhosbMo
乙〜
ピクルスなら仕方無いね
307 :
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(九州)
[sage]:2011/11/23(水) 18:22:16.80 ID:PgPvdGRAO
女勇者は人間が一番偉くて尊い存在だと思っちゃってるんだろ
しょうがないしょうがない
308 :
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[sage]:2011/11/23(水) 18:27:23.60 ID:bqJPKJMIo
勇者の声が野原ひろしに変換された
309 :
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(不明なsoftbank)
[sage]:2011/11/23(水) 18:44:47.70 ID:AfOoKquF0
本当に少年を救う気がないなら、つべこべ言ってくるであろう女勇者に少年が何をしにいったか言う訳がない。
310 :
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(福岡県)
[sage]:2011/11/23(水) 20:06:39.96 ID:kfK4hTV0o
いや女勇者批判が多いけど
このまま経験積んでもなおこのままの心でいられたら
いっそかっこいいと思うんだ
何が悪いって未熟と慢心じゃん?
311 :
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[sage]:2011/11/23(水) 20:07:53.78 ID:B0EY1i7DO
この勇者前やってたバイトの店長にどことなく似てる
312 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/23(水) 20:30:12.06 ID:o3q3iEMIO
勇者は営業向きだな乙
313 :
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(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/23(水) 20:43:57.29 ID:U4/yLJ2AO
>>310
> 何が悪いって未熟と慢心じゃん?
まるでセイバーだな
314 :
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(千葉県)
[sage]:2011/11/24(木) 02:27:20.80 ID:okGma/yzo
ピクルスおいしいよおいしいよ・・・(´;ω;`)
315 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/24(木) 02:28:39.61 ID:toleNFZ2o
そもそも女勇者ほとんど批判されてない件
316 :
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[sage]:2011/11/24(木) 07:34:39.60 ID:TgUzD/QIO
>>314
ピクルスは付け合わせとして隣に置いておくから美味しいのであって、
サンドイッチやハンバーガーの中に入れて良いものでは、断じて無いっ!!!
317 :
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[sage]:2011/11/24(木) 09:18:45.40 ID:Tm7znVgIO
>>316
だがホットドッグに入っていなければ寂しくなる
男勇者は素敵だとは思うがひねた性格ではある。
318 :
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(宮城県)
[sage]:2011/11/24(木) 14:50:47.14 ID:bDGZkewVo
冷たいピクルスは好きだけど
挟まれて温くなったピクルスは美味しくないお…
319 :
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[sage]:2011/11/24(木) 18:25:13.22 ID:7sz9G7Sd0
ピクルスの話題続きすぎwwww
320 :
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[sage]:2011/11/24(木) 19:17:00.09 ID:luPbkVHIO
ピクルス美味いだろ
ハンバーガーとかもっと入れてくれてもいい
321 :
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(九州)
[sage]:2011/11/24(木) 20:28:10.09 ID:LBnyvmYAO
関係の無い話は余所でやれカス
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(中部地方)
[sage]:2011/11/24(木) 22:13:48.96 ID:E+FneNDno
最近変なスレが立ったり雑談が多かったり、vipとノリが同じと勘違いしてる人が多いな
勇者実は根は良いやつ的な雰囲気が漂ってきてる
323 :
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(山陽)
[sage]:2011/11/24(木) 22:58:53.72 ID:xIEe2bbAO
命懸けで守った民衆が自分から魔物の巣に乗り込んで、その尻拭いやらさせられてるんだ。
偏屈にもなるさ。
324 :
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(北海道)
[sage]:2011/11/25(金) 00:24:39.62 ID:FwRlvN5AO
確かに言い方は卑屈だったりするが、この勇者は大人だよ
子供って現実見ないし、すぐ他人のせいにするからな
下手に夢やら希望を持たせるより、無理なら無理と言ってやった方がいい
それでも聞かないならニート街道まっしぐらだぜ
325 :
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(茨城県)
[sage]:2011/11/25(金) 00:42:21.88 ID:MiEBobJHo
とりあえず乙です
たしかにピクルスはいらないなあ…
姉弟は大げさに言えば保守か革新、どちらの言い分も一理あると思います
どちらが幸せかはまた別の問題ですが
勇者のひねくれた理由が気になるとこで次も楽しみにしてます
326 :
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[sage]:2011/11/25(金) 00:50:39.49 ID:U/thvFjio
語る余地のあるキャラが登場するSSは良SS
327 :
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(空)
[sage]:2011/11/25(金) 23:25:56.04 ID:NqwQ/1Ky0
女勇者も、ガキも夢しかみてない馬鹿
あと、ピクルス大好き
328 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/30(水) 00:02:37.95 ID:qc5XLyDB0
あれ?まだ進んでなかったのか
329 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2011/11/30(水) 00:09:07.49 ID:FZ8o62F0o
すみません
他の予定が入っててちょっと遅れます
330 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/30(水) 09:54:37.53 ID:2OObbYUUo
舞ってるぜ
331 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(九州)
[sage]:2011/12/03(土) 22:55:24.34 ID:3/l1Gg9AO
マダカヨ
332 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2011/12/04(日) 15:03:06.14 ID:Vd7zHlaAO
水曜か木曜には
333 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/12/04(日) 15:04:52.23 ID:CZGMMu3Zo
把握ワッフル
334 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(大阪府)
[sage]:2011/12/04(日) 15:31:35.04 ID:DBwFp9T30
舞っとる
335 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(佐賀県)
[sage]:2011/12/04(日) 20:46:55.02 ID:IgRXYj1vo
踊ってる
336 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(福岡県)
[sage]:2011/12/06(火) 06:29:26.77 ID:zENbeh07o
磨っちょる
337 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(九州)
[sage]:2011/12/06(火) 07:09:29.97 ID:GZvB0nKAO
そういうのいいから
338 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/12/06(火) 21:15:45.99 ID:rpn9t7fuo
勇者も女勇者もどちらも正論なんだよな
腹を割って話合えるようになれば良コンビになれる気がす
339 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(不明なsoftbank)
[sage]:2011/12/06(火) 21:22:09.73 ID:+Og0Xth4o
>>338
そう、でもそれはまだ先のお話し
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(福岡県)
[sage]:2011/12/07(水) 03:15:40.29 ID:zHFru+JVo
>>338
多分いまのままなら平行線だろ
どっちも正論だから決着はつかない
荒れると申し訳ないけど例えるなら
9条(あるいは自衛隊)の賛否と同じようなもんでしょ
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(九州)
[sage]:2011/12/07(水) 18:41:09.65 ID:mc4agKaAO
セイバーと切嗣みたいだな
342 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 19:39:01.45 ID:Sst7MRuAO
勇者「ここに来る前、チョコボ屋によってみたら使えないはずのチョコボが一匹いなくなっていたから……たぶんそうだろう」
少女「そんな……」
勇者「チョコボイーターは……そうだな、一般兵士が20人ぐらい集まってようやく倒せるレベルの魔物だ」
勇者「あいつ一人じゃまず無理だな」
少女「お、追いかけないと!!」
勇者「ああ、俺の連れが今向かっている。宿の予約も取れない役立たずだが追跡ぐらいはできるだろう」
少女「それで…弟は助かるんですか!?」
勇者「分からん。魔物が現れる前に引き返せば助かるだろうが、そうじゃなかったら……どうだろうな」
少女「っ……」
勇者「心配か? いい年して家出するようなやつだぞ?」
勇者「俺だったらほっとくな」
少女「……なぜあの子はそんな無茶を」
343 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 19:45:57.63 ID:Sst7MRuAO
勇者「君がやかましく言ったせいだな。あの年頃は自分の思い通りにならないとすぐに反発してしまうんだ」
勇者「おそらくあの魔物を倒せばみんなが自分のことを認めてくれると思って行ったんだろう」
少女「なんて馬鹿なことを……」
勇者「まったくだ、浅はかを通り越して愚かだな」
少女「……お願いします、勇者様」
少女「こんなことを頼める立場ではないってことは分かっています。でも……」
勇者「……」
少女「どうか…弟のことを助けください、お願いします」
勇者「それは断る」
少女「っ…!?」
勇者「俺はまだ君から本心を聞き出していない。全てを知った上でないとスッキリしなくて何もやりたくなくなるんだ」
勇者「実はサンドイッチの話をしに来たってのも嘘だ、悪かったな。本当は君たち姉弟の話を聞きたくて来たんだ」
344 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 19:52:31.74 ID:Sst7MRuAO
少女「わ、私たちのこと……?」
勇者「君たちは血がつながっていないって言っていたな。なのになぜ君はあの弟を大切に思うんだ?」
少女「家族ですから。血はつながっていなくても、私たちは家族です」
勇者「ああ、そうだな。じゃあもう少し深く問い詰めてみるか」
勇者「あの弟の両親は死んだんだな? つまり血がつながっていない家族は弟だけだ」
勇者「あの村長も、実の祖父じゃない」
少女「……」
勇者「ならどうして、あいつが村長代理として好き勝手やっているんだ? 血がつながっていないのに」
少女「それは…血がつながってなくても」
勇者「家族だからか、そうだな。だが本来は血縁がある君が村長代理をやるべきだ」
少女「私は、お店の仕事があって忙しいですし……」
345 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:00:35.23 ID:Sst7MRuAO
勇者「弟に手伝わせればいい」
少女「言うことを聞いてくれません」
勇者「本当か? やろうと思えば言うことを聞かせることができたはずだ。自分の立場を分からせてやればいい」
勇者「『お前の両親は死んであてのないお前は私たちの家族に引き取られた。つまり私たちはお前の一生の恩人だ、つべこべ言わず働け!』って感じでな」
勇者「罪悪感をつく心理攻撃だ。どうだ、おすすめだぞ」
少女「そんなこと……」
勇者「言えないか。言えないにしても甘やかしすぎだな」
勇者「おかげであいつは自分がこの村で一番偉い存在だと思っている」
少女「……」
勇者「いくら家族だからといって、血のつながってないやつに好き勝手させすぎだ」
勇者「あんなわがままなやつをどうしてそんなに甘やかすのか、分からないな。姉ならもっと叱るべきはずだろう?」
勇者「それでも強いことを言えないってことは、よっぽど弟のことを溺愛してるかもしくは…………惚れてるか」
少女「……!!」
346 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:06:56.33 ID:Sst7MRuAO
勇者「おぉう……その反応はビンゴだな?」
少女「ち、違います! 何を言ってるんですか、そんなわけないじゃないですか!!」
少女「あんな…ろくでなしなんて……」
少女「それに弟なんですよ!?」
勇者「あいつが騎士を目指しているのに反対しているのも、本当は自分のところから離れて欲しくないからだろ?」
少女「ッ……」
勇者「また当たってしまった。クイズ大会ならあと一問で景品がもらえるぞ」
少女「ち、ちがっ…」
勇者「禁断の関係だな。やめようと思ってもやめられない。背徳感が心地良いからだ」
勇者「近親相姦はもうしたのかな?」
少女「っ…そんなことしてません!!!」
勇者「……どうやら最後の問題は外してしまったか」
勇者「だが惚れていることは認めるな?」
少女「……」
勇者「それでいい」
347 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:16:06.18 ID:Sst7MRuAO
少女「…………いけないことでしょうか」
勇者「世間の目は冷たい」
少女「……分かってます。でも、どうしようもないんです」
少女「子どもの頃から本当の弟のように思っていました」
少女「彼は昔から私がいないとダメで、私が面倒をみないと何もできなくて……」
少女「彼には私が必要なんだと思っていました」
少女「だけど本当は……私が彼を必要としていたんです」
勇者「……」
少女「最近は…そんな私が彼にとって重荷になってるんじゃないかと思えてきて……」
少女「なのに彼に出て行けなんて……家族じゃないなんてひどいことを言って……」
少女「でも、もしあの子が騎士になってどこか遠くへ行ってしまったら……」
少女「それでもし死んでしまったら……私はっ……」
勇者「よく分かった…もう十分だ。君の本音が聞けて俺も満足したよ」
少女「……なんで私の気持ちが分かったんですか」
勇者「本当はあんな回りくどいことを聞かなくても最初から分かっていた」
少女「え?」
勇者「あいつのことを見る君の目を見れば、だいたい理解できる」
348 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:22:45.86 ID:Sst7MRuAO
少女「……」
勇者「子どもは実に分かりやすい反応をするもんだな」
少女「イジワルですよ……そんなの」
勇者「それにしてもあの弟は本物の馬鹿だな。こんな可愛い子が自分のことをずっと好きでいてくれたのに気づかないなんて」
勇者「あいつのどこがいいんだ?」
少女「……いいじゃないですか、別に」
勇者「君も君だな。ダメ男に惚れるタイプだろ? 気をつけた方がいい」
少女「……どうして、こんな話をしに?」
勇者「言っただろ、納得できないことや知らないことがあると落ち着かないんだ」
勇者「それに、人の恋路をイジるのは楽しい」
少女「……」
勇者「安心しろ。楽しませてもらった分、あいつのことはちゃんと助けてやる」
少女「ほ、本当ですか!?」
勇者「ああ、今頃魔物に食われていなきゃの話だがな」
349 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:27:22.60 ID:Sst7MRuAO
―― 砂漠 ――
少年「よし、確かここら辺だな」
チョコボ1「クエェ……」
少年「心配するな。チョコボイーターは僕が倒す」
少年「そうすればみんなだって……」
女勇者「あっ、いた! ようやく見つけた!!」
少年「!?」
女勇者「まったく、こんな無茶して」
チョコボ2「クエッ」
少年「ど、どうしてここが…?」
女勇者「砂地にチョコボの足跡が残っていたから、それを追って来たの」
少年「……」
女勇者「さ、もう帰るよ?」
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/12/07(水) 20:29:52.65 ID:5hALZsVCo
勇者がまともなことしてるなんて…
351 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:34:01.25 ID:Sst7MRuAO
少年「い、いやだ!! ここまで来たのに……」
女勇者「来たところで、今のあなたにできる事はなにもないの」
少年「ッ……」
女勇者「今のあなたは……まだ弱い」
女勇者「でもこれから先鍛え続ければ、きっと強い魔物も倒せるようになる。だから今は退こ? ね?」
少年「……戻ったところで、僕に居場所なんてないですよ」
少年「本当の弟じゃないから……家族じゃないから」
少年「どうせ僕は邪魔者なんだ!! あの家にとっても、村にとっても!!」
女勇者「そんなことない、お姉さんはあなたの事を本当の弟だと思って大切にしてる!」
女勇者「さっきは物の弾みであんなこと言ったけど……謝ればきっと許してくれるはずだよ?」
少年「……」
352 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:43:58.27 ID:Sst7MRuAO
少年「……いいんですよもう。僕のことはほっといてください」
女勇者「でも……」
少年「どうせ僕は何もできないんだ……村にはいられない、騎士にもなれない」
少年「僕なんてもう……」
女勇者「彼はあなたにひどいことを言ったけど、私はそう思っていない!」
女勇者「信じて努力し続ければ、夢はきっと叶う。諦めたらそこで終わりじゃない」
少年「あなたは……勇者になれたからそんなことが言えるんですよ」
少年「成功したから……余裕があるから無責任なことを平気で言えるんだ」
女勇者「そ、そんなことない!」
少年「ほっといてよもう……どうせあなたも勇者様みたいに僕のことを馬鹿にしてるんでしょ?」
女勇者「違う! 私はそんな風に……」
女勇者「……?」
少年「……」
女勇者「……もしかしてあなたが騎士になりたい理由って、単に憧れているからじゃなくて」
女勇者「本当はあの家を出ていきたいからなの?」
女勇者「血がつながってないから……自分がお姉さんに嫌われてるんじゃないかと思って、それで……」
353 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:49:44.81 ID:Sst7MRuAO
少年「っ……」
女勇者「だとしたら…それは間違っている。お姉さんはあなたを嫌ってなんかいない」
女勇者「血縁にコンプレックスがあるのは分かるけど、彼女はそんなこと気にしていない」
女勇者「本当にあなたのことを大切に…」
少年「幼い頃はそう思ってましたよ……血縁のことなんて気にしていませんでした」
少年「だけど成長するにつれて、だんだんと不安になってきて……」
少年「それで居心地が悪くなってきて……」
女勇者「それは勝手すぎる。お姉さんの気持ち、分かってあげてよ」
少年「……」
女勇者「本当はあなただって、あの家に帰りたいんじゃないの? お姉さんと仲直りしたいんじゃないの?」
少年「っ……僕は」
チョコボ1「クエッ! クエッ!」
354 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:53:16.00 ID:Sst7MRuAO
少年「!!」
チョコボ2「クエーッ!!」
女勇者「ど、どうしたの?」
少年「まさか、もう来た……?」
女勇者「え?」
ゴゴゴゴゴゴ・・・
女勇者(こ、この地響きは……!?)
ゴバアアァッ!!
チョコボイーター「グアアアアアアアッ!!」
少年「ッ!?」
女勇者「っ……出てきちゃったわね」
女勇者「あれが、チョコボイーター……!!」
少年「あ…あぁ……!?」
355 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2011/12/07(水) 20:54:40.88 ID:Sst7MRuAO
ここまで。
パソコンが諸事情でネットに繋げられないので今日は携帯からでした。
次回久しぶりの戦闘パートです。
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(山陽)
[sage]:2011/12/07(水) 20:55:28.69 ID:Z2CDYI8AO
乙!
早く次が見たい・・・。
357 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(福岡県)
[sage]:2011/12/07(水) 21:01:47.45 ID:goyhmcImo
乙
358 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/12/07(水) 21:05:29.11 ID:MTMMFAEeo
乙〜
近親相姦(仮)か……
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(九州)
[sage]:2011/12/07(水) 22:39:52.00 ID:mc4agKaAO
トリックスターが助けにくるんですね
わかります
360 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(北海道)
[sage]:2011/12/07(水) 22:59:01.56 ID:q9IwM9yz0
勇者が勇者らしい……だと?
361 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(大阪府)
[sage]:2011/12/07(水) 23:57:39.83 ID:ISejGizz0
乙でした
女勇者がボコボコにされるのに
1000ペリカ!
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/12/08(木) 01:11:37.62 ID:XudtIdE9o
これ面白いな
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/12/08(木) 01:23:35.77 ID:R/iN1LJQo
乙です
これは姉さんと勇者のピクルスで本が薄くなるな!
364 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/08(木) 16:23:13.79 ID:GbtvpB5SO
追い付いた!乙!
365 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/10(土) 23:00:07.00 ID:gILhLfwBo
いま読み終わったけど続きが気になるなぁ
366 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2011/12/11(日) 23:52:16.30 ID:/8BUYpMAO
12月は思ってたより忙しい……
申し訳ないですが今月は少しペースが遅れます
367 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/11(日) 23:56:51.81 ID:w3epWAHno
報告してくれるだけでも有難いさ
368 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/22(木) 09:22:48.95 ID:/Bc1VajIO
wktk
369 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/26(月) 21:27:03.74 ID:k6vJ+6SIO
まってる(´゜皿゜`)
370 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/28(水) 23:36:10.32 ID:XvYPD1Dao
まだか
371 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/29(木) 18:22:24.46 ID:/0xwCDgd0
>>369
お前のその顔は待ってるって顔じゃねえぞwww
だが俺も舞ってる
372 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2011/12/30(金) 03:03:19.51 ID:jwIaNKO0o
すまぬ・・・すまぬ・・・
373 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/30(金) 03:24:13.92 ID:wSST6cDIO
...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
/:::| ___| ∧∧ ∧∧
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||:::::::( ・∀・) /<▽> /<▽>
||::/ <ヽ∞/>\ |::::::;;;;::/ |::::::;;;;::/
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.|| ゙ヽ i ハ i ハ i ハ i ハ | し'_つ
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374 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/30(金) 04:15:33.49 ID:vRTtOzjvo
まぁ、気長に待つさと一言。
375 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/30(金) 08:57:57.85 ID:a3AST5dJo
きてくれるならまつよーみんなも年末忙しいだろうしね
376 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/30(金) 09:01:46.06 ID:+VhXIoSGo
ならば待機ワッフルだ
377 :
以下、あけまして
[sage]:2012/01/03(火) 10:36:17.45 ID:CvyCxDBDO
間が空きすぎてストーリー忘れてきちゃたよ
378 :
以下、あけまして
[sage]:2012/01/03(火) 19:18:34.92 ID:06lttort0
松
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/08(日) 11:06:48.05 ID:TPvB+o3IO
期待してるけどだれた?
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/09(月) 00:24:45.20 ID:tDKJRZdV0
意志の飢えにも惨念
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/11(水) 23:39:35.55 ID:VJ3o7GWDO
はいはい失踪失踪
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/12(木) 16:42:04.34 ID:dNxRELoIO
いい作品のほうが失踪多いという事実
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2012/01/12(木) 17:02:36.30 ID:EW96M/y4o
...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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||:::::::( ・∀・) /<▽> /<▽>
||::/ <ヽ∞/>\ |::::::;;;;::/ |::::::;;;;::/
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384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/15(日) 00:14:18.43 ID:zL97DiTDO
お前らが気長に待つとか甘やかしたことばっか言うから、
ここは失踪するSSばっかなんだなきっと
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
[sage]:2012/01/15(日) 23:10:18.47 ID:tcZiTSfAO
どうせ師走忙しいからとか適当な事言って1ヶ月休んでたら書くのが面倒くさくなっただけだろアホらし
削除依頼だしとけよー
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/18(水) 20:33:48.20 ID:MDk12yAIO
:||:: \おい、隠れても無駄だ ゴルァ! ドッカン ゴガギーン
:|| ::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄_m ドッカン ☆
:||:: ___ ======) ))_____ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:|| | | | ̄.ミ∧_∧ | | ────┐||:: ∧_∧ < おらっ!出てこい>>1
:|| |___| |_..( ) | | .___ │||:: (・Д・ ) \____________
:|| |___| |_「 ⌒ ̄ ,|.. |. .|.|||:: / 「 \ ::.
:|| |___| |_| ,/  ̄ .  ̄ ̄ ̄ │||:: | | /\\
:||:  ̄ ̄ ̄  ̄| .| :||│ ;, │||; へ//| | |. |
:||:: :; ; ,, :| :.| ||│ (\/,.へ \| | ::( .)
:||:: :; 冫、. . | .i .|:||◎ニニニニ\/ \ |  ̄
:||.:,,''; ` .. . :: . | ∧. |:||│::::/ │||::.:. .Y ./ ..:: ;;
:||:;;;: ;;.. ::::: 冫、 : .:: .| | | |.||│ 冫、 ;;;,,│||:;;;. | .| ........
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:||;::: #. ..: :::::: (_) .(_).ミ||│ │||;;;k、,,,|,(_).. ,,, :::
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:::;三三;;;;;三三:::;;;;;;; :::::;;;;;::;;;;;;;;;;::::;; :::::;;;;;:::::;;;;;;;;;;::::;; :::::;;;;;:::;;;;;;;;;;::::;;;;;:::::::;;;;;;三
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/19(木) 13:47:38.85 ID:PiKelGxSO
急かしたらやる気なくすし
気長でいいよというとダレるというならどうすればいいんだって話
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/19(木) 17:33:58.46 ID:5ndtBLgMo
また逃走か
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/21(土) 00:28:01.05 ID:/aoTdPyso
完結する力がないなら書くなよな
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/21(土) 00:31:29.80 ID:iLeuhkzIO
パソコン壊れてるなら携帯で来てくれよ
書かなくていいから
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/21(土) 02:46:01.35 ID:DXSyZLHHo
来たら読めばいいってだけじゃん
急かすだの甘やかすだの、その他大勢のレスごときにそんな影響力ないだろ
392 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/21(土) 06:47:02.24 ID:ZVk11WrNo
来たら読めばいいって言うかもう来ねぇだろ
393 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/01/23(月) 18:50:27.24 ID:ht9qx7oQ0
こうして良作ばかりが沈んでいく…
394 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2012/01/23(月) 23:27:30.88 ID:3BpaKgvAO
度々遅れてすいません
2月の頭には戻ってくるので許して
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/23(月) 23:28:20.78 ID:CIRUVE1no
生存報告待ってた!
把握ワッフル
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/23(月) 23:29:04.80 ID:VZfNqNroo
>>394
お前を信じてた
一回も疑ったことなんてないよ
本当だよ
397 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/24(火) 01:09:18.44 ID:oQxDql8Oo
舞ってるよー
398 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 12:24:33.93 ID:eX5qPc6Mo
生きてたのか
399 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 15:31:42.47 ID:4fNVxqN0o
よかった来るんだな
400 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/24(火) 15:34:43.14 ID:DW8+PgCIO
...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
/:::| ___| ∧∧ ∧∧
/::::_|___|_ ( 。_。). ( 。_。)
||:::::::( ・∀・) /<▽> /<▽>
||::/ <ヽ∞/>\ |::::::;;;;::/ |::::::;;;;::/
||::| <ヽ/>.- | |:と),__」 |:と),__」
_..||::| o o ...|_ξ|:::::::::| .|::::::::|
\ \__(久)__/_\::::::| |:::::::|
.||.i\ 、__ノフ \| |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\ |::::::|
.|| ゙ヽ i ハ i ハ i ハ i ハ | し'_つ
.|| ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
401 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東日本)
[sage]:2012/01/24(火) 16:22:14.94 ID:pN4x6H4fo
お帰り
402 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/01/25(水) 18:48:28.22 ID:54aGdMaS0
おっ生きてるか
松
403 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(熊本県)
[sage]:2012/01/28(土) 00:59:47.83 ID:rRio9iZ2o
面白いなーこのスレ
勇者好き
続き待ってる
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/01/31(火) 21:51:41.13 ID:cG6Bcjnq0
やっと書き貯めが出来たか
405 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2012/02/01(水) 21:08:49.06 ID:GXPWePUAO
日曜日に再開できそうです
遅れてすいません
406 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 21:10:59.72 ID:+dzzBaB4o
待ってます
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/02(木) 19:48:37.31 ID:jHnooCNIO
ひゃっほーまってたかいがあった
408 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(北海道)
[sage]:2012/02/02(木) 20:09:31.67 ID:BFRmCwAp0
日曜だな、了解、全裸で舞ってる
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2012/02/05(日) 08:19:51.46 ID:Zu8liA2to
そして日曜日
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/05(日) 09:02:53.22 ID:4z3mCUQJo
来るかな
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/05(日) 18:35:18.69 ID:mxGUU5HQo
またくるくる詐欺か
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/05(日) 19:35:54.76 ID:4z3mCUQJo
詐欺か
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/05(日) 19:49:45.32 ID:s2Idbr2zo
落ち着け、あと四時間ある。
まだ慌てるような時間じゃない。
414 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:41:10.78 ID:tjeM7Pvgo
十メートルを祐に越える手足もないワームのような魔物が砂漠の中から現れた。
その姿を見て驚愕した少年は尻餅をつく。
女勇者「少年君!!」
女勇者が駆け寄り少年の身体を起こそうとする。
女勇者「立って、ここから離れるの!!」
少年「い、いやだ……」
女勇者「なに言ってるの早く!!」
少年「僕は……こいつを倒すんだ……そう決めたんだ!!」
恐怖を振り払うかのように、少年は大声を上げた。
しかしその足はまだ震えている。
女勇者「いい加減にして! 今のあなたじゃあの魔物には勝てないわ!!」
少年「ッ……」
二人が口論している間にも、チョコボイーターは徐々に近づいてきている。
その姿に圧倒されるも、少年はなんとか立ち上がった。
415 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:42:13.18 ID:tjeM7Pvgo
少年「ここで逃げたら、僕は絶対後悔する……」
少年には魔物に立ち向かおうとする気力はあった。
だが実物を目の前にした恐怖で身体が言うことを聞かない。
何もできずにいる自分に悔しさが募り、唇を強く噛んだ。
少年「逃げたくないんだぁ!!」
少年は手にしている自前の剣を自分の右足の甲に突き刺した。
この行動に女勇者は驚く。
右足が痛む、だが少年の気持ちは吹っ切れた。
少年「うああああああ!!」
剣を構えた少年は、魔物に向かって走り出した。
しかしこれを女勇者がほっとくわけにもいかない。
女勇者「くっ……雷鳴よ!!」
雷の魔法が少年とチョコボイーターの間を裂くように放たれた。
少年「うわっ!?」
愕く少年に女勇者はすぐさま近づくと、首もとの襟を掴み自分の後ろへと放り投げた。
投げられた少年は砂の上に倒れこんだ。
女勇者「ごめんね、あなたにここで死なれたら私が後悔するの」
416 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:42:47.63 ID:tjeM7Pvgo
少年「う…ぐ…」
立ち上がろうにも足が痛み上手く立てない。
こんなにも弱く、そして女性に守られてしまっている自分にとてつもない悔しさを感じ、
少年の目からは涙がにじみ出ていた。
チョコボイーター「グアアアアッ!!」
先ほどの魔法で魔物の注意は女勇者に向けられた。
女勇者もバスターソードを構え、臨戦態勢に入る。
女勇者「やるしかないのね……!」
敵は大きくともこの前退治したグリーンドラゴンより格下の相手だ。
今の自分なら一匹ぐらいはなんとかなる、女勇者はそう確信した。
女勇者(チョコボイーターは鈍重、早い動きでかく乱すれば…)
頭の中で作戦を組み立てると、女勇者は一緒につれてきたチョコボの背中にまたがった。
チョコボ2「クエッ!?」
突然のことでチョコボは驚く。
女勇者はそんなチョコボをなだめるように耳元で囁いた。
女勇者「大丈夫、あなたは私が死なせない。だからお願い…私の言うとおりに動いて」
417 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:43:16.03 ID:tjeM7Pvgo
少年「う…ぐ…」
立ち上がろうにも足が痛み上手く立てない。
こんなにも弱く、そして女性に守られてしまっている自分にとてつもない悔しさを感じ、
少年の目からは涙がにじみ出ていた。
チョコボイーター「グアアアアッ!!」
先ほどの魔法で魔物の注意は女勇者に向けられた。
女勇者もバスターソードを構え、臨戦態勢に入る。
女勇者「やるしかないのね……!」
敵は大きくともこの前対峙したグリーンドラゴンより格下の相手だ。
今の自分なら一匹ぐらいはなんとかなる、女勇者はそう確信した。
女勇者(チョコボイーターは鈍重、早い動きでかく乱すれば…)
頭の中で作戦を組み立てると、女勇者は一緒につれてきたチョコボの背中にまたがった。
チョコボ2「クエッ!?」
突然のことでチョコボは驚く。
女勇者はそんなチョコボをなだめるように耳元で囁いた。
女勇者「大丈夫、あなたは私が死なせない。だからお願い…私の言うとおりに動いて」
418 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:44:18.01 ID:tjeM7Pvgo
優しい口調でチョコボに語りかけると、チョコボは次第に落ち着いてきた。
そして手綱を握り、チョコボを走らせる。
女勇者「行くわよ!」
走らせると同時に、再び魔法を撃ちチョコボイーターの注意を完全にこちらに向けた。
チョコボイーター「グアアアアアッ!!」
女勇者は少年の方にも目を向けながら魔物に近づき過ぎず、
離れ過ぎもしないちょうどいい距離を保ち、そこから魔法を連続で放っている。
チョコボイーターは女勇者に向かって突進するもギリギリで回避された。
女勇者「この前のようにはいかないんだから!」
女勇者は先日グリーンドラゴンに敗れた悔しさを思い出していた。
もう二度と魔物に負けたくない、握り締めた剣に力を入れる。
そして頃合を見計らって女勇者はチョコボを魔物に向かって突撃させるよう動かした。
419 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:45:06.50 ID:tjeM7Pvgo
チョコボイーター「グアアアッ!!」
目の前の向かってくる敵をチョコボイーターは尾で叩きつけようとする。
だがその動作は女勇者に付け入る隙を与えるだけだった。
女勇者「今だ!!」
女勇者はチョコボの背中を蹴ると飛び上がり、チョコボイーターの胴に大剣を突き刺した。
チョコボイーター「!?」
女勇者「はああああ!!」
この前の洞窟戦とは違い、ここなら思い切り大剣を振れる。
女勇者は突き刺した剣をそのまま振り下ろした。
傷口からは血があふれ出ている。
チョコボイーター「グガアアアッ!!」
痛みのあまり魔物は暴れだした。
女勇者は再び剣を魔物の身体に突き刺して振り落とされないようなんとか耐える。
女勇者「え…わっ…!?」
だが魔物の力は予想以上に強く、女勇者の手は剣から離れてしまった。
420 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:45:47.73 ID:tjeM7Pvgo
女勇者「まだ…まだぁ!!」
落下しながらも傷口に向かって火球を撃った。チョコボイーターは苦しみもがく。
魔法が直撃したのを確認すると、女勇者は受身を取ろうと身体を構えた。
チョコボ2「クエッ!!」
女勇者「きゃっ!?」
だが女勇者の体が地面に激突する前に、チョコボがすかさず彼女を自分の背中で拾い救助した。
チョコボ2「クエ!」
女勇者「た、助けてくれたの…? ありがとう!」
チョコボ2「クエー!!」
そのまま地面に着地し、再びチョコボにまたがるとすぐさま追撃に出た。
女勇者「よしっ、これで決めるわよ! あなたが亡くした仲間の分の恨みを晴らしてあげる!!」
チョコボ2「クエッ!!」
421 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:46:36.59 ID:tjeM7Pvgo
全速力でチョコボを走らせた。
チョコボイータは痛みでまだ暴れまわっている。
女勇者「くっ…はあ!!」
女勇者はチョコボを巧みに操り、魔物の身体の上を駆け乗らせた。
うねり回る足場を飛び跳ね蛇行しながらも立ち回り、勢いに任せて走りつづける。
魔物の身体に突き刺されたバスターソードを再び手にするために。
そして目的の物をその手で掴んだ。
女勇者「これで…!!」
全力で大剣を引き抜く。チョコボイーターの身体からは噴水のように血が飛び出た。
女勇者は去り際に傷口に向かって魔法を放ち、追い討ちした。
女勇者「まだ終わりじゃない!!」
女勇者は先ほどのようにチョコボの背を蹴り、空高く飛び上がった。
そして剣に力を集中させる。刃に光が溜まった。
そのまま魔物に向かい剣を構える。
女勇者「沈めええええっ!!」
勢いよく落下する女勇者は、魔力がこもった大剣を振り下ろし――そして魔物の頭部を一刀両断した。
魔力で威力が高まった分、もとから大きかった刀身よりもさらに大きく切り裂かれる。
巨大な魔物は頭から血を噴出し、うめき声を上げながらその場に倒れた。
422 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/05(日) 20:48:12.34 ID:tjeM7Pvgo
とりあえず今日はこれぐらいで。
戦闘パートなので地文入れました。
また近いうちに更新します。
423 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/05(日) 20:51:54.09 ID:vx32GgfIo
乙。余裕で今日だったな
424 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[]:2012/02/05(日) 20:52:04.88 ID:o/BbRd5Wo
乙
425 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/02/05(日) 20:53:32.76 ID:ghxIEC5po
乙
これからも頼むぜ
426 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[]:2012/02/07(火) 04:15:31.17 ID:zxCZ0vGAO
たな
427 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/07(火) 05:43:03.58 ID:1D5PZlA1o
やっぱ途中からこうなるんだなぁ・・・
段々投下間隔が伸びていくんだろうか・・・
428 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 13:48:54.92 ID:SPJvGyvSo
ちっとも話進まない、周りの雑談ばっかり、忙しい()
完結しないスレの典型だな
429 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 13:56:00.25 ID:E2nNtg6IO
乙
更新待ってる
430 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/07(火) 21:40:50.23 ID:CkTXu+kMo
>>428
みんながみんなお前みたいに暇じゃないのよ
431 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2012/02/08(水) 01:56:44.48 ID:zYtBy7YKo
結局SSは趣味だからね。飽きたらやめるのだって作者の自由だし
それでも不満がでるのはそれだけ期待されてるってことだろ
432 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:44:12.42 ID:sBBTZ2Y9o
女勇者「はぁ…はぁ…」
少年「た、倒したの……?」
女勇者「ええ……もう大丈夫よ」
全てを出し切った女勇者はその場に崩れた。
息は切れ、身体にはもう力が入らない。
少年「……」
女勇者「驚いた…って顔してるわね」
少年「だって、あんな大きな魔物を倒せるなんて……」
女勇者「言ったでしょ? 私だって勇者なのよ。これぐらいは…ね」
しかし口で言うほど余力は残っていない。
次の魔物が現れ戦闘が再開する前に早くこの場から離れる必要がある。
女勇者はなんとか立ち上がり、チョコボを呼び寄せた。
女「あなたが無事でよかったわ。さ…帰るわよ。もうあの魔物も倒したし満足でしょ?」
433 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:45:00.39 ID:sBBTZ2Y9o
少年「……」
女勇者「どうしたの?」
少年「いえ……見てるだけの自分が情けなくて」
少年「結局僕は何もできなかった……」
女勇者「仕方ないわよ、普通の人じゃあんなの倒せない」
少年「……あなたは普通じゃないんですね」
女勇者「そうね……もう普通じゃない。話してる暇はないわ、早く戻りましょう」
少年「……」
女勇者「何してるの、ほら」
少年「……待ってください、何か聞こえませんか?」
女勇者「え?」
少年「何か…遠くから…」
チョコボ「クエーッ!!」
434 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:45:38.82 ID:sBBTZ2Y9o
女勇者「ど、どうしたの!?」
チョコボ「クエッ!! クエーッ!!」
ゴゴゴ・・・
女勇者「!!」
女勇者(何か来る……まさか!?)
チョコボイーター「グガアアアアッ!!」
女勇者「なっ…!?」
少年「い、一匹だけじゃなかったんだ!!」
チョコボイーターが次々と地面の中から現れた。
二匹、三匹、四匹とその数は増えていく。
女勇者「そんな……」
剣の柄を握り締めるも先ほどの戦闘の影響で力が入らない。
ここで戦っても確実に死ぬだけだ。
少年「ど、どうしましょう……」
女勇者「逃げるわよ…早く!!」
他に選択肢はなかった。
435 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:46:26.63 ID:sBBTZ2Y9o
女勇者「早くチョコボに乗って!!」
少年「は、はい!!」
勇者「いや、逃げるな」
背後から突然声が聞こえた。
二人はとっさに振り向き、声の主の顔を見て驚愕した。
少年「!?」
女勇者「せ…先輩!! いつの間に!?」
勇者「逃げたら、強くなれないだろう。戦わないのか?」
勇者「あの程度の魔物を倒せなくてこの先どうするんだ」
女勇者「どうしてここにいるんですか!?」
勇者「…もういい、対話ができないやつには用はない」
勇者「君はどうなんだ?」
少年「え…」
勇者「強くなりたいんだろう? あいつ等と戦って勝てば、強くなれるぞ」
少年「……」
436 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:47:24.24 ID:sBBTZ2Y9o
女勇者「馬鹿なこと言わないでください!!」
勇者「馬鹿なこと? この世は強いやつだけが生き残るんだ、理にかなってるだろ」
女勇者「何を…」
勇者「お前は何をしにここに来たんだ! 村のやつらに自分の力を示したくないのか?」
少年「僕は…」
女勇者「今の彼にそんなことを言わないでください! もういい私が倒します!!」
勇者「お前じゃ無理だ。今のお前じゃヒヨコ一匹も倒せないだろ」
女勇者「今さら何をしに来たんですか!! あれだけの事を言っておきながら…」
勇者「どうする、敵は迫ってきてるぞ。剣を持って立ち向かわないのか?」
勇者「騎士になるんだろう?」
少年「……」
女勇者「茶化しに来たんですか!?」
勇者「怒鳴る元気はあるみたいだな。だったら先に行ってやっつけてこい」
少年「……できないです」
勇者「……」
少年「僕は…女勇者さんみたいに戦えません…」
437 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:47:56.25 ID:sBBTZ2Y9o
勇者「あれだけ大口を叩いていたのにか?」
少年「……」
勇者「ふむ…どうやらお前のせいでこいつは現実の壁にぶち当たって夢を諦めたみたいだぞ」
女勇者「え……」
勇者「お前がこいつの希望を奪ったんだ」
女勇者「な、何を言ってるんですか!?」
勇者「だが無傷で帰還というのもあまりに格好がつかない。ちょっと両腕を前に出してみろ」
少年「え?」
勇者「いいから早く、俺の前に腕を出せ」
少年「こ、こうですか?」
勇者「そうだ、それでいい」
バキッ!!
438 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:49:02.37 ID:sBBTZ2Y9o
女勇者「ッ!?」
少年「あがっ…うああああああ!!?」
女勇者「な…何やってるんですか先輩!!」
勇者「腕が折れてる…なんてこったぁ!」
女勇者「先輩が折ったんでしょ!? 一体なに考えてるんですかあなたは!!」
少年「腕がっ!! ぼ、僕の腕がぁ!!」
勇者「お前らはもう役立たずだ、後ろでチョコボと戯れてろ」
少年「あぅ…うぐっ…」
女勇者「だ、大丈夫? しっかり!!」
勇者「お前はラッキーだな、少年君。この女がいなかったら今ごろ腕が折れただけじゃすまなかったぞ」
女勇者「あなたは何がしたいんですか!!」
勇者「お前には話しかけてないだろ、黙ってろ」
チョコボイーター「グアアアアッ!!」
勇者「ああ…お前達の相手もしてやるから心配するな」
439 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:50:01.00 ID:sBBTZ2Y9o
勇者は剣を取り出した。禍々しい形状をしたその剣は、不気味なオーラを纏っている。
勇者「耳をふさいだ方がいいぞ。びっくりするからな」
次の瞬間――剣を横に一閃振った。
それと同時にとてつもない爆発が発生する。
チョコボイーター「!?」
魔法剣フレア。
超高熱と光がチョコボイーター達を包み込んだ。
そして間もなく、爆発が起きた場にいたものは全て跡形も無く消滅していた。
女勇者「っ……!?」
勇者「どうだ、びっくりしただろ?」
女勇者「あ……」
勇者「帰るぞ。これでチョコボイーターはあらかた片付いたはずだ」
少年「あぅ…ぐっ…」
勇者「その腕は名誉の負傷ってことにしておけ。箔がつくぞ」
440 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/02/11(土) 00:50:26.42 ID:sBBTZ2Y9o
ここまで
441 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長野県)
[sage]:2012/02/11(土) 00:50:59.58 ID:fc2DGBTFo
乙
442 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 00:51:10.62 ID:A4lhfpJNo
乙!
443 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 00:51:51.43 ID:5nMyrP03o
おつおつ
444 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/02/11(土) 00:58:05.67 ID:IQIrUt6DO
勇者は最低なく女勇者は最低だな…
乙
445 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 00:59:48.44 ID:3hjVOinpo
乙
446 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 02:05:17.02 ID:hA6uLuGDO
乙
447 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/11(土) 16:37:19.55 ID:eka8Kj4SO
乙
どっちもどっちに見える
448 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/02/12(日) 09:31:55.28 ID:htQsrJVSo
女勇者は人の為でなく自分の為に"人の為の正義“と言って居るかな
所謂偽善かな 別に悪か無いけど
449 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2012/02/12(日) 20:25:15.15 ID:vdZwR/Pzo
乙
このテンポで進んでくれるととても嬉しい
450 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 19:22:18.91 ID:clw9d1bIO
(´・ω・`)あちき…信じてた
451 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/23(木) 14:30:48.43 ID:58zKfwYIO
腕出した所で切り落とすかと思ったw
良かったな少年!骨は折れると前より丈夫になるぞ!
452 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[]:2012/02/29(水) 18:46:37.47 ID:qNQegdwAO
早稲田に受かった
453 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/02/29(水) 19:03:22.43 ID:7ngVnW3DO
>>452
ん?おめでとう
454 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 19:19:00.08 ID:AzgB5zkHo
慶応に受かった
455 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 19:50:50.42 ID:Am93QWgIO
自衛隊に受かった
456 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 21:16:20.26 ID:FVn9JrBIO
おーはらおーはら本気になったら
457 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/29(水) 21:17:50.15 ID:2qnaKRHIO
| | (~)
| |´⌒`ヽ
|_|:i:i:i:i:i:i:}
|島|・ω・`) <しまむら〜♪
|村|⊂:::ノ
| ̄|─J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
458 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2012/02/29(水) 22:04:43.69 ID:z7plL+P5o
\ はげって言ったやつだれだ・・・ /\ ノ
\ /- ̄  ̄`ヽ
(~) \ γ´⌒`ヽ /γ´ ヽ
γ´⌒`ヽ \ (・ω・` ) /γ ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:} \ O┬O:::) / {i:i:i:i:i:i::i:i:i:i:i:i:i:i:i:::i:i:i:i:i:i:ii}
( ´・ω・)このセーター\ ◎┴し'-◎ / . (~):i:i:i:i::i:i:i:i:i::i:i:i:i::i:i:i:i:i:i:i}
(:::::::::::::) しまむらで \ ∧∧∧∧/ γ´⌒`ヽ ::|
し─J 買ったんだ。 < し > {i:i:i:i:i:i:i:i:}l⌒l l⌒l :::::|
_____________ < ま > (´・ω・`) ̄  ̄ ::::|
/~~丶 < の む > (::::::::つ :::|
\ ノ < 予 ら > ヽ__つ l⌒l l⌒l ::|
γ-´ ̄ ̄ ̄ ̄``ヽ キング < 感 く > ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
γ │しまむら < ! ん > (~) さむいね
{i:i:i:i:i:i:i:i::i:i:i:i:i:i:i::i::i:ii:i} くん/∨∨∨∨ γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i::i:i:i:i:i:i:i::i::i::i:i} / \ {i:i:i:i:i:i:i:i:} うん、さむいね
/ ⌒ ヽ / \ ( ´・ω・) (~)
| ● ● | / (~) \ ( ) γ´⌒`ヽ
ヽ、 (__人__) ノ /γ´⌒`ヽユニクロ行ってくる\し─J {i:i:i:i:i:i:i:i:}
/:::::::::::::::::::::::・:::::::::::/ {i:i:i:i:i:i:i:i:} _____\ (・ω・` )
|::::::::::::::::::::::::・::::::/ ( ´・ω・`) | しまむら →| \ ( )
ヽ、:::::::::::::::::::::/ (:::O┬O  ̄ ̄ || ̄ ̄ \ し─J
| / ◎-ヽJ┴◎ キコキコ \
|__丿/ \
459 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岩手県)
[sage]:2012/03/05(月) 14:52:21.09 ID:7MLEYeaxo
この話はもう終わりですので
460 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage saga]:2012/03/06(火) 07:19:06.70 ID:pkcEFbxto
うるせーよ おたんちん
回線切って首吊って死ね
461 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:50:14.40 ID:wylNIDmEo
―― 少年・少女の家 ――
少年「あ…ぐぅ…」
医者「とりあえずこれで処置は済んだ。また明日うちに来るといい」
少女「あ、ありがとうございます」
医者「それにしても、魔物と対峙して腕が折れただけで済んだのはよかったな。奇跡だ」
少年「……」
少女「……」
医者「今日はこのまま安静にしていることだ。私はもう帰るよ」
少女「すみませんわざわざ……」
医者「じゃあ、また明日」
少年「……」
少女「……」
462 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:50:54.64 ID:wylNIDmEo
少年「……」
少女「……なにか飲む?」
少年「……」
少女「無事でよかった…」
少年「笑ってるんだろ!? 心の中じゃ…僕のことを…!!」
少女「……」
少年「あんな大見得を切って家を出たのに……この様だ」
少年「僕は何もできなかった。……みじめだ」
少女「……」
少年「っ……」
少女「あなたが生きてるのならそれでいい。私にとってはそれだけで十分よ」
少女「今日はもう寝ていなさい。明日はまた、その折れた腕を先生に診てもらいましょう」
少年「……」
463 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:51:25.41 ID:wylNIDmEo
・・・・・・
医者「おや、家の中には入らないんですか?」
女勇者「入っても、邪魔になるだけですし……それで、具合はどうなんですか?」
医者「心配はない。両腕とも折れてるが、綺麗に折れてる。すぐにくっつくだろう」
女勇者「そ、そうですか…」
医者「それにしてもずいぶんと不自然だ。魔物があんな綺麗に折るものなのか?」
女勇者「ええっと……ど、どうなんでしょう?」
医者「まぁいい。あなた方があの子についていてくれたおかげで、彼の命は助かった。さすが勇者様だ」
医者「それじゃおやすみ」
女勇者「……」
女勇者(違う…あの時先輩が来てなかったら私は死んでいた)
女勇者(私は…何もできなかった…)
少女「あ、あの…」
女勇者「あっ…少女ちゃん。少年君のところにいなくていいの?」
少女「勇者様たちに、一言お礼を言いたくて」
464 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:52:22.49 ID:wylNIDmEo
少女「あの子を助けていただき、本当にありがとうございました!」
女勇者「わ、私は別に……」
少女「感謝しています。女勇者さんが守ってくれなかったら、あの子は死んでいました」
少女「女勇者さんは命の恩人です」
女勇者「……」
少女「本当に…ぐず…本当にありがとうございます…ひっぐ…」
女勇者「少女ちゃん……」
少女「彼が死んだら私…もう生きていけないっ…」
少女「ずっと一緒にいたから…死んでほしくなかった…」
少女「私の…っ大切な人だから…ぐず……」
少女「うえええええええん」
女勇者「……」
少年「……」
465 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:53:10.96 ID:wylNIDmEo
―― 宿屋 ――
勇者「……」
コンコンッ
ガチャッ
女勇者「失礼します」
勇者「娼婦を呼んだ覚えはないぞ」
女勇者「……彼は大丈夫だそうです」
勇者「彼?」
女勇者「あなたが腕の骨を折った少年です!」
勇者「そういえばいたな、そんなやつも」
女勇者「骨もすぐにくっつくそうで」
勇者「そうか」
勇者「明日は朝早くには出るぞ。チョコボに乗っていけば夕飯はラバナスタで食べられる」
女勇者「……聞きたいことがあるんですけど」
女勇者「私が彼の希望を奪ったって、どういう意味ですか?」
466 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:54:27.36 ID:wylNIDmEo
勇者「そのままの意味だ」
女勇者「……」
勇者「昔、ある女勇者がこんなことを言っていた」
勇者「希望は大切よ! 生きるためには必要なものなの!」
女勇者「間違ってるとでも!?」
勇者「いいや」
女勇者「だったら…!」
勇者「やつはお前が魔物をかっこよくなぎ倒している姿を見て、思い知ったんだ」
勇者「自分はあんな風には一生なれない」
勇者「あいつの希望はなんだったけ? そうだ思い出したぞ、剣を持って戦うお仕事だ」
女勇者「…騎士です」
勇者「あんな体たらくじゃ無理だ。自分でもようやくそれに気づいたんだろう」
467 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:55:10.60 ID:wylNIDmEo
女勇者「……」
勇者「まだ未来ある若者の夢を砕いた感想はあるかな?」
女勇者「私はただ……」
勇者「お前は間違ってはいない」
女勇者「え?」
勇者「捨てられる希望ならさっさと捨てたほうがいい。そもそもあの場で戦わなければ死んでいたしな」
勇者「まぁ俺が来なければ結局死んでいたか」
女勇者「っ……」
勇者「お前も捨てられる希望があればさっさと捨てたほうがいいぞ」
女勇者「…どういう意味ですか?」
勇者「深い意味はない。…そんな睨むな、怖くて眠れなくなるだろ」
468 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:56:00.80 ID:wylNIDmEo
女勇者「……はぁ」
勇者「お前だって内心はあの少年を馬鹿にしてただろ? 認めたらどうだ」
女勇者「してません、私は先輩とは違います」
勇者「そうだな、俺はあんな魔物一匹に手こずったりはしない」
女勇者「……助けてくれたことには感謝していますが、先輩のやったことは理解できません」
女勇者「なぜ彼の腕を折ったんですか」
勇者「趣味だ。若い男の腕を折るのが好きなんだよ」
勇者「腕が使えなくて毎朝アレができないことに苦悶する顔を想像するだけで笑える」
女勇者「はぐらかそうとしないでください!」
勇者「無謀な夢を諦めれば、あいつはこの村を出ずに家族と一緒に過ごすことができる。騎士になって死ぬこともない」
勇者「腕を折ったのはあの姉に弟の面倒を見させるためだ。あの姉が献身的になってる間に、弟も落ち着いて今までの考えを直すだろう」
女勇者「…本当にそのために?」
勇者「家族と一緒にいる方が、何よりの幸せだ」
女勇者「……」
勇者「…そんな風に言えば、家族を失くしたお前は納得して俺に賛同してくれると思ってな」
女勇者「……そういう言い方は嫌いです」
469 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:56:46.65 ID:wylNIDmEo
勇者「悪かった…本当はやつの自尊心に止めを刺したかっただけだ」
勇者「ああいうやり方が手っ取り早いって、やつにしつこく迫られたときに言っただろ?」
女勇者「…分かりました。もういいです」
女勇者「どうして真面目に話し合おうとしてくれないんですか!」
勇者「真面目な話をしたいなら、もっとまともなネタを持って来い」
勇者「ガキの骨が折れたことについて真剣に語り合いたいのか?」
女勇者「先輩の考えがよく分からないだけです!」
勇者「お前なんかに俺のことを理解されてたまるか」
女勇者「……もう部屋に戻って寝ます」
勇者「そうしろ、明日は早いんだ。寝坊しても起こしてやらないからな」
女勇者「……」
勇者「どうした?」
女勇者「彼女に……感謝されました」
勇者「誰に?」
女勇者「彼のお姉さんにです」
470 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:57:47.24 ID:wylNIDmEo
勇者「そうか」
女勇者「私は魔物一匹に手こずって、彼を危険に晒していたのに」
女勇者「もしかしたら私は彼を守りきれなかったかもしれないのに……感謝されたんです」
勇者「何が言いたいんだ。お前は無力じゃない、よく頑張ったって慰めて欲しいのか?」
女勇者「私はあの少年くんと同じです。口だけで実力が伴っていない」
女勇者「だから私には感謝される資格なんて……ない。私より先輩の方が正しかった」
勇者「……そうだな。反省してるのならそれで…」
女勇者「でも私はあなたのことが嫌いです」
勇者「…それで構わない」
女勇者「……おやすみなさい」
ガチャッ バタン
勇者「……」
勇者「……フ」
471 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:58:41.52 ID:wylNIDmEo
・・・・翌朝
女勇者「寝坊してるのはどっちよ!!」
勇者「……ぐぅ」
女勇者「起きてください!! 今日は朝早いんじゃなかったんですか!?」
勇者「う…あぁ…」
女勇者「もう太陽はとっくに昇ってますよ!」
勇者「……」
女勇者「朝です、起きてください」
勇者「朝は…必ず起きなきゃいけないなんて…誰が決めたんだ」
女勇者「そういう屁理屈はいいですから。ていうか先輩が朝早くに出るって言ったんじゃないですか」
勇者「俺にとったら…今が朝早い時間だ」
女勇者「分かりました。じゃあ起きてください」
勇者「分かってる……五分待ってろ」
女勇者「下で待ってますから、早く来てくださいね」
勇者「……ぐぅ」
女勇者「はぁ…」
472 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 03:59:14.47 ID:wylNIDmEo
・・・・・
女勇者「まったく…もう五分過ぎてるのにまだ降りてこないし」
少年「あの、すみません」
女勇者「!」
少年「よかった、まだ旅立ってなかったんですね」
少女「昨日はありがとうございました」
女勇者「二人とも…どうしたの?」
少年「お礼を言いたくて。僕はまだ言ってないから」
女勇者「だったら私じゃなくて、先輩に言ってあげて。私があなたを守ったんじゃないわ」
少年「そんなことないです! 女勇者さんのおかげで、救われたんです」
少年「それに…あなたが戦ってる姿を見て、僕も決心しました」
女勇者「え?」
少年「僕には戦うことはできない。あなたみたいに強くもないし…才能もないしね」
少年「無茶な夢だったんです。騎士になるなんて…」
473 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:00:37.61 ID:wylNIDmEo
女勇者「……諦めるの?」
少年「はい。でもおかげで、死なずにすみそうです」
少女「ふふっ」
少年「それに僕が騎士になりたかった理由も、ただこの村から出たかったからだけなんです」
少年「そんな覚悟で騎士になるなんて……そもそもが甘かった」
女勇者「……」
少年「だから僕は、違う手段でこの村を出ようと思ってます」
女勇者「へ?」
少女「彼ったら、商人になるとか言ってるんですよ?」
少年「商人になって各地を周り、勉強するんです!」
少年「そして商人として成功したら、いつかこの村を大きくするつもりです!」
女勇者「そ、そう……少女ちゃんはそれでいいの?」
少女「もうしょうがないと思ってます。騎士になるよりはマシですしね」
少女「それに…約束しましたから」
女勇者「約束?」
少女「もう私のことは悲しませないって…ね?」
少年「あ、あはは」
474 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:01:07.16 ID:wylNIDmEo
女勇者「よかったわ。すっかり仲直りしたみたいね」
少女「仲直りっていうか…」モジモジ
少年「まぁ…そうですね」モジモジ
女勇者「?」
少年「こ、これからは僕が彼女を守っていくつもりです!」
少女「腕が折れてるうちは、私にお世話されることになるけどね」
少年「う、うるさいなぁ」
女勇者「ふふふっ」
勇者「騒がしいな」
少年「!!」
少女「あ…勇者様!」
勇者「行くぞ。出発の時間だ」
女勇者「え? ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
475 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:02:51.79 ID:wylNIDmEo
少年「もう行っちゃうんですか? まだゆっくりしてても…」
勇者「どけ」
少女「勇者様! 昨日はありがとうございます!」
少女「本当に…なんてお礼を言ったらいいのか」
勇者「そうか」
少年「勇者様…」
勇者「邪魔だ。どけ」
少年「もう騎士になるなんて馬鹿なことは言いません。新しい希望を見つけることができました」
勇者「新しい希望? エッチな本でも見つけたのか?」
少年「彼女が、今の僕の希望なんです」
少女「少年…」
勇者「そうか……せいぜい後で後悔しないことだな」
少年「後悔なんて、したって構いません」
勇者「…まったく、若い奴は馬鹿しかいないな」
少年「勇者様にご迷惑をかけて、申し訳ありませんでした。そして助けていただきありがとうございます」
少年「良い旅を。また会えることを願っています」
勇者「その願いは叶わないさ。行くぞ」
女勇者「は、はい」
476 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:03:45.09 ID:wylNIDmEo
少女「あ、待ってください。これをどうぞ」
少女「旅道具ですけど…よければ。あとチョコボも用意しておきました」
少女「勇者様たちのおかげでもうチョコボイーターもいないですし」
女勇者「ありがとう。使わせてもらうわ」
少女「またサンドイッチ食べにきてくださいね。こんどはちゃんとピクルスも抜いておきますから」
勇者「……」
少女「それとこれから砂漠越えをするんでしたら飲み物も用意したんで、どうぞ持っていってください」
勇者「心配はいらん。昨日買ったミルクがある」
女勇者「私のお金で買ったやつじゃないですか!」
勇者「お前の金で買ったミルクは最高に美味いなぁ!」
女勇者「…ちゃんと私にお金を払ってくれたら飲んでもいいですよ?」
勇者「セコいやつめ。それでも勇者を志す者か」
少女「あの……ミルクじゃ保存がききませんよ」
女勇者「え…じゃ、じゃあこの大量に買ったやつは!?」
少女「残念ながら……」
477 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:04:41.56 ID:wylNIDmEo
女勇者「そんな……今のうちに全部飲まないともったないじゃない!」
勇者「俺も飲むのを手伝ってやりたいところだが、残念なことにお前から買えるミルクの代金がないんだ」
勇者「俺はこの少女からもらった水を飲むことにするよ」
女勇者「今さっき飲むって言ってたくせに……別に手伝ってもらう必要なんてないですし!」
少女「あっ! アイスボックス持ってきますか? その中に入れておけばしばらくは大丈夫ですし」
女勇者「お願い! 持ってきて!」
少女「はいっ」
勇者「足手まといめ」
女勇者「そもそも先輩が余計なこと仕組んだから私がミルクを二十本も買うことになったんじゃないですか!!」
少女「ふふっ」
478 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:05:44.29 ID:wylNIDmEo
・・・・・・
少女「二人ともありがとうございました! お気をつけてー!」
少年「勇者様たちのことは絶対に忘れません! ありがとうございましたー!」
勇者「まったく、最後までやかましいやつらだ」
女勇者「見送りまでしてくれてるんですよ? そんなこと言わなくてもいいじゃないですか」
勇者「煩わしいだけだ。お前だって、昨日は感謝される資格がないとか言ってたくせに」
女勇者「人の好意には、きちんと応えるべきです」
勇者「はっ…笑顔には笑顔で返すのか? それじゃあまるで、赤ん坊と同じだ」ゴクゴク
女勇者「だいだい先輩は……って、何を飲んでるんですか?」
勇者「ミルクだ」
女勇者「私のやつじゃないですか!! なに勝手に飲んでるんですか!?」
479 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:06:29.52 ID:wylNIDmEo
勇者「本数を減らすのを手伝ってやろうと思って」
女勇者「さっきは手伝わないって言ったくせに!!」
勇者「さっきはミルクを飲みたくなかったからだ。今は違う」
女勇者「なんでそんな勝手なんですか! 自分で買えばよかったのに…」
女勇者「…飲むからには、お金もらいますからね」
勇者「本当にセコいやつだな。器が知れるぞ」
女勇者「先輩のせいで私はミルク二十本分の出費を……ああもう!!」
女勇者「この自己中!!」
勇者「ケチめ」
女勇者「エゴのかたまり!!」
勇者「半人前」
女勇者「大嫌い!!」
勇者「それは同意見だ」
女勇者「……どうせ飲むなら全部飲んでくださいよ」
勇者「俺の体が、もうミルクはいらないって言ってる」
女勇者「……はぁ」
480 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:06:56.41 ID:wylNIDmEo
・・・・・・
少女「あの人たちの旅が、無事に続けばいいわね」
少年「そうだね……」
少年「あ、あのさ」
少女「なに?」
少年「……ありがとう」
少女「ふふっ、どうしたのよ急に」
少年「本当は寂しかったんだ。親が死んで、僕には本当の家族がいないと思っていた」
少女「……」
少年「でも…それは間違いだった」
少年「姉さんが心配して、ずっと側にいてくれたのにその事に気づかなかったなんて……僕は本当に馬鹿だったよ」
少年「ごめん…」
481 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:07:35.85 ID:wylNIDmEo
少女「反省してるのなら、これからはしっかりしてね?」
少年「……ああ、もちろん」
少女「ふふっ……私もあなたがいなくなって、ずっと寂しかった」
少女「今思えば、私もあなたの話にもう少し耳を貸してあげればよかったわね」
少女「そうすれば喧嘩なんてせずに……」
少年「そんな事はもうどうでもいいさ。これからの方がずっと大事だ」
少女「…そうね」
少女「頑張っていきましょうね、一緒に」
少年「うん、これからも一緒に」
少女「大好きよ……少年」
第一章〜完〜
482 :
◆CUe8gHwvDY
[saga]:2012/03/08(木) 04:09:55.54 ID:wylNIDmEo
ここまで
とりあえず一区切りってことで
投下ペースがバラバラですが三月中には落ち着けそうです
483 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 04:10:17.56 ID:BPwAP9qDO
久しぶりに来てた
書きためてたんだな
乙
484 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/08(木) 04:22:26.73 ID:kC9400NAO
乙。
無理はしなくていいからな。
485 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 06:11:13.20 ID:TMWxYm8Po
乙
486 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/03/08(木) 07:38:06.48 ID:VZ7vwalAO
面白いなあ、このスレ
487 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/08(木) 08:59:49.34 ID:VUjaLIJzo
お、来てたか。
乙。おもしろい。
488 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 09:17:10.98 ID:yAaaiVcIO
おつ
489 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 09:20:10.46 ID:A5uVtS5IO
乙
490 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 09:52:51.80 ID:droPT2nIO
(~)
γ´⌒`ヽ
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
( `;ω;´ ) ぼく…ずっと続きがあるって信じてた!
(:::::::::::::)
し─J
491 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/08(木) 10:40:17.33 ID:Dts96tSDO
勇者がドクターハウスにしかみえない
492 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/09(金) 19:14:20.63 ID:cQUMkJpZo
>>491
お前のせいで、ハウスにしか見えなくなったわ
493 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/09(金) 21:11:15.89 ID:tuiaFn+SO
乙です
494 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/13(火) 00:46:56.73 ID:nE0kb14IO
(´・ω・`)
495 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[]:2012/03/16(金) 17:53:28.58 ID:78Ap+vdAO
乙です
496 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2012/03/17(土) 12:10:45.97 ID:N99BGQW80
おつかれ〜
497 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/18(日) 14:02:27.05 ID:2NPgL2AAO
なんかよく分からんけどとりあえず上げ
498 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/03/18(日) 14:04:00.53 ID:2NPgL2AAO
なんかよく分からんけどとりあえず上げ
499 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/03/18(日) 14:07:45.45 ID:2NPgL2AAO
なんかよく分からんけどとりあえず上げ
500 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/03/18(日) 14:09:16.34 ID:2NPgL2AAO
なんかよく分からんけどとりあえず上げ
501 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/03/18(日) 14:13:21.62 ID:2NPgL2AAO
なんかよく分からんけどとりあえず上げ
502 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/03/18(日) 14:19:42.06 ID:2NPgL2AAO
なんかよく分からんけどとりあえず上げ
503 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/03/18(日) 14:22:36.01 ID:2NPgL2AAO
なんかよく分からんけどとりあえず上げ
504 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[]:2012/03/18(日) 14:23:33.13 ID:2NPgL2AAO
うわ、連投すいません
505 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/18(日) 18:46:11.22 ID:slgqhssAO
嵐かよ、氏ね
506 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/18(日) 19:02:21.79 ID:drfO9kl2o
何が起こった?
507 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/03/18(日) 20:04:41.75 ID:RlbzgW6Ko
荒らし[
ピーーー
]よ
508 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga sage]:2012/03/18(日) 20:06:16.53 ID:0e1RhTxwo
普通にErrorで何回も書き込んだ新参だろ
509 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/18(日) 20:33:11.21 ID:HginhtIGo
新参でもこんなにやらんわ
どんだけせっかちさんだ
510 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/18(日) 21:55:01.97 ID:4zPathDAO
なんか分からんからあげるとかふざけてんの?
511 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/03/18(日) 22:37:37.30 ID:c7b/Enhuo
まぁまぁそういう時はひんぬーさんの事を思い出すんだ
512 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/03/18(日) 22:39:19.75 ID:c7b/Enhuo
他のssと間違えたわすまんこ
513 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/18(日) 22:50:33.33 ID:2NPgL2AAO
>>510
昼頃に変なスレが乱立してたから心配になって
514 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/18(日) 23:45:15.23 ID:b78VlSSIO
あぼーんが前に倣え状態だな。鬱陶しい。
515 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/03/19(月) 01:03:36.60 ID:gG36p6E9o
なんでもいいが、書き込んだらエラーだろうがスレをリロードしよう
516 :
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(長屋)
[sage]:2012/03/25(日) 01:36:27.59 ID:1C3yP4AYo
なんだよ、更新あったと思ったら
517 :
◆CUe8gHwvDY
[sage]:2012/03/28(水) 20:34:22.65 ID:8o6L5Q6ro
すいません、予想以上に仕事が立て込んでて続けられそうにありません。
削除依頼は出しておきます。
みなさんに迷惑をかけてしまって本当にすいませんでした。
518 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 20:35:16.83 ID:/EvRmM/vo
どうせこうなるだろうと思ってた
519 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 20:41:50.16 ID:6XAgRXhco
急展開過ぎ泣いた
520 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/03/28(水) 22:20:51.66 ID:qDGlGzL/o
仕事が落ち付いて書ける時が来たら書いてくれればよかったのに
521 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 22:41:15.47 ID:UYak9b04o
三ヶ月落ちないんだから残してくれればいい
522 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/28(水) 23:11:56.04 ID:IRU8uIKYo
また機会があれば是非書いてくれ
523 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/28(水) 23:27:42.66 ID:O8fyHiVgo
止めちゃうのか……残念。
524 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2012/03/29(木) 09:21:11.03 ID:odqnH67AO
マジか・・・・・・
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/03/29(木) 14:38:32.60 ID:Oix6/Nu0o
なんと…(; ・`д・´)
楽しみにしてたのに残念だ。
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/31(土) 10:40:25.93 ID:ZTQTIuNIO
ID:2NPgL2AAO←こいつが荒らしたせいだな。
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